本当の私 2 ページ11
[1200円になります]
ポケットからグシャグシャになったお札と、沢山の10円と1円を出す。
Aの周りにいた大人たちは、ヒソヒソと何かを喋っている。
[ありがとう御座いました〜]
[またあの子よ。相変わらず、びどい姿よねー]
[お父さんがいるらしいけど、結構やばいらしいわよ]
[やっぱりー、あんまり関わらないほうがいいわね]
急いで店をでたAは、重いビニール袋を抱え走って行く。
冬の外は、冷たい風がAの喉を痛ませる。
ーー
[お母さん?何してるの?]
[A、、、]
小学生の頃のAは、母親に話しかけた。
[お母さん、もう会えないから]
[えっ!?どうして!??]
[お母さんはね、もう疲れちゃったの、、、]
[大事だよ。Aが守るから、、だからっ!]
母親に抱きつこうと、勢いよく飛び付く。
しかしAが母親に触れる前に、母親は叫んだ、
[触んないでっ!!]
[えっ、、?]
突然の母親の言葉に、驚きをかくせないA。
[A、、お母さんはね、Aが嫌いなの]
[どこが?、、あのね、、あったら言ってっ!直すから!]
[うんん。これは直らないの]
[何で?]
[Aが嫌いな理由はね、父親に似ているから、、、]
[、、、]
[じゅあもう、行くから。じゃぁね、A]
ドアを閉まる音が響く。
1人その場で、崩れるようにAは座る。
[ヒッグ、、、直んないよ、、、うっ、うわぁぁ!!]
ーー
[忘れようとしたのに、また思いだしちゃった、、、]
帰り道にある公園のベンチで、Aは座っている。
あの日、結局母は帰って来なかった。
今頃何しているだろうか、、、
[さっ、、、帰ろ]
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作者名:金髪 | 作成日時:2017年10月31日 21時