story 122 ページ39
部室の前に来て足を止める。声はもう聞こえない。あー、終わったんスかね。そう思ってコンコン、とノックをすると中から今吉サンの声が聞こえた
「黄瀬涼太っス」
「あー、黄瀬くんか。ええよ、入り」
そう言った今吉サンはドアの鍵を開けてくれた。中に入ると壁にもたれかかってスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている夏樹サンが目に入る。今吉サンはロッカーを空けて何やら着替えている様子。静かな空間の中、今吉サンが俺に話しかけてきた
「なんの用や？言っとくけど夏樹は渡さへんで」
「......知ってるっスよ」
「にしては気に入らん顔しとるけどな」
わかりやすいやつやなぁ、と言って笑う今吉サン。ちらっと夏樹サンを見ると乱れている髪、服装、そして何より首にはっきりと付く無数のキスマーク。はっきり言って不愉快でしかない。気に入ってる人が大量のキスマーク付けてたら誰だって気に入らないっスよ
「...生徒会長も夏樹サンみたいに俺の事必要としてくれるんスか？」
「......さあ、どうやろな」
姫野っちと別れた今、俺が信用できるのは夏樹サンだけ。夏樹サンが今吉サンと仲直りして、向こうに戻るのなら、俺は付いて行きたいと思う。例え紫原っちや青峰っちを裏切っても夏樹サンと一緒にいたい
「んん......りょうた、？」
「な、夏樹サン...」
完全に目を覚ましていない夏樹サンは目がトロンとしていて、色気が半端ない
「おいで、りょーた」
そう言って両手を広げる夏樹サンを抱き上げて自分の足の間に座らせる。後ろからぎゅっと抱きしめるとポンポンと優しく頭を撫でられる。その途端、涙が流れて止まらなくなった
「な、なづぎさんっ、俺、お"れっ、」
「うん、」
「ちゃんとっ、別れたっスぅぅ...」
「そっか」
さようなら、姫野っち
俺は夏樹サンの肩を借りて、モデルらしくない大声で泣き続けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 592人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黛パフェ(プロフ) - ゆうゆさん» え、小学校の会長してるんですか！！？？将来有望...すごいですね！愚痴は言わないと生きていけませんよ笑笑。ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年7月17日 17時) (
レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - ヤバい・・・ 最高すぎです・・・自分小学校の会長何ですが・・・こんなことしてみたい！ 私も、皆の前では笑顔ですが、誰もいなくなると愚痴言いまくりWWW本とにこの小説面白すぎです！ (2019年7月17日 17時) (レス) id: 4937f459b3 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ルイさん» になっちゃいますね笑笑 (2019年7月16日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 黛パフェさん» 無限ﾙｰﾌﾟ？w (2019年6月30日 3時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» え、そう言って貰えて嬉しいです好きです(真顔) (2019年6月24日 20時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パフェ x他2人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月25日 2時
