【HQ】突然ですが、青春撮ってこい。 (ページ28)

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お誘い

の続きです。

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『あ、でも私もう一回行ってもいいのかな。
　
　
　
　
なんか、写真撮らせてくれるのはありがたいんだけど、迷惑になってないかなって思ってさ。』
　
　
　
　
　
そう、これは私が一番気になっていたことだ。
　
　
　
皆、写真を撮るのにちょこまか動き回っている私を邪魔だと思わないのだろうか。極力邪魔しないように動いているつもりだけど
　
　
　
写真を撮ってもいいと了承してる手前、邪魔でも私に気を使って邪魔だ、と言えないんじゃないかと思うのだ。
　
　
　
　
考えれば考えるほど、嫌な方に思考が傾く。
　
　
　
　
すると、月島は一言。
　
　
　
　
　
　
　
月島「大丈夫デショ。」
　
　
　
　
　
　
けろりととそう言い切った。
　

たった一言それだけ。
　
　

だけど、この言葉は私の不安をかき消してくれるほどの大きなものだった。
　
　
　
　
　
　
月島「一ノ瀬さ、知ってる？」
　
　
　
　
　
『な、にを？』
　
　
　
　
月島にしては珍しく、少し考えるような素振りをしてから口を開いた。
　
　
　
私が戸惑い気味にそう問うと、ふっ、て月島が笑って話し始めた。
　
　
　
　
　
　
月島「一ノ瀬さ、ほぼ毎日練習撮りに来るデショ？
　
　
でも、たまに来ない日あるじゃん。
　
　

そうすると皆、一ノ瀬は？って僕に聞くんだよね」
　
　
　
　
『？』
　
　
　
　
　
私が来ない日と言うのは、私は元々写真部なわけだから毎日バレー部に入り浸れず、写真部の活動をする日のことだ。
　
　
　
　

月島「一ノ瀬いないと物足りないよなって皆言うんだよ。それってさ、もう一ノ瀬もバレー部の一員として受け入れられてるって事デショ。自信持ちなよ。」
　
　
　
　
　
　
彼の言わんとしている事がこれで伝わった。
　
　
　
なんだか今、無性にバレー部の人達に会いたくなった。ほんの少しだけ視界が歪む。
　
　
　
　

嬉しい。嬉しい。
　
　
　
　
　
『月島っ、…ありがと、ｸﾞｽｯ』
　
　
　
　
　
月島「ちょ、なんで泣いてんの、」
　
　
　
　
　
そう言いながら、私の目から溢れ出る涙を指で掬ってくれる。
　
　
　
　
月島の指が暖かくて、安心して、余計に涙が溢れた。
　
　
　
　
　
　
　