【HQ】突然ですが、青春撮ってこい。 (ページ29)

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日向「一ノ瀬、月島ー！！
　
　
　
　
昼飯食べよーぜ！！！」
　
　
　
　

涙を止められずボロボロ流していると、
教室に元気な声が響いた。
　
　
　
　
私は入口から背を向けて月島の方を向いているから姿を捉えることは出来ないけど、あれは日向の声だ。
　
　
　
　
そして、ズカズカとこちらに向かってくるのが足音でわかる。
　
　
　
　
　
　
日向「一ノ瀬……って、え！泣いてる！？」
　
　
　
　
　
近づいてきた日向はひょこっと私の顔を覗き込み、驚いた表情を見せた。そして月島を瞬時に見た。
　
　

　
　
影山「お前、ついに泣かしたのか」
　
　
　
　
どうやら影山くんもいたようで、月島を見て飽きれた表情を浮かべた。
　
　
　
2人からの視線を受けて、不機嫌そうに眉を寄せた月島。
　
　
　
　
　
　
月島「いつかやると思った、みたいな顔しないでくれない？泣かしてないし。」
　
　
　
　
　
　
そんな会話を聞いて涙が引っ込んでいった私は悪ふざけしようと思い立った。
　
　
　
　
　
　
『わーん。月島に泣かされたよー』
　
　
　
　
　
日向・影山「やっぱり…！！」
　
　
　
　
　
月島「なっ、一ノ瀬！」
　
　
　
　
これには月島も予想外だったらしく珍しく慌てた様子だ。それを見てふふ、と笑いを零した。
　
　
　
　
　
『嘘だよ、日向、影山くん。
　
　
ちょっと色々あって月島に慰めてもらっただけだよ』
　
　
　
　
　
日向「悩みでもあんのか？話聞くぞ…？」
　
　
　
　
　
『ないない！悩み吹っ飛んだから大丈夫！！』
　
　

　
　
影山「月島にいじめられたら言えよ」
　
　
　
　
　
『うん！ありがとう、2人とも！！』
　
　
　
　
月島は影山くんの一言にまた眉間にしわをよせていたけど気にしない。
　
　
　
　
　
日向「あ、早くしないと昼休みなくなる！
　
　
　
谷地さんと山口待ってるからお前らも早く行くぞ！」
　
　
　
　
　
日向に急かされるように席を立って教室を出た。
　
　
　
　
　
　

教室の外の空気はやけに澄んでいるように感じた。
　
　
　
　
　
　
　