第4話 武装探偵社 ページ5
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「おい太宰。俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない」
仕事に戻るぞ、と云う国木田君に敦君が尋ねた。
「お二人は何の仕事を?」
その質問に対して、私は待ってましたと云わんばかりのドヤ顔で云ってやった。
「なァに……探偵よ」
妙に敦君のリアクションが薄かったのは多分、いやきっと気のせいだろう。でなければ泣く。
「探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
敦君は少しだけ聞き覚えがあるという顔をしていた。『武装探偵社』は軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団であり、昼の世界と夜の世界、その間を取り仕切る薄暮の武装集団――と名が知れている。
また『武装探偵社』の社員は多くが異能の力を持つ『異能力者』という常識的なところまでは、敦君も理解しているようだ。
「あの鴨居頑丈そうだわ。たとえるなら人間一人の体重に耐えられそうな位」
「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな」
「違うわ。首吊り健康法よ、知らないの?」
「何、あれは健康にいいのか?」
早速メモをとり始めた国木田君。相変わらずおめでたい頭してるわね、とは云わず。適当に思い浮かんだ嘘の健康法を順序よく、手際よく教えていった。本人は騙されていることに気が付きもしない。それに比べて敦君は......。
「そ、それで探偵社のお二人の今日のお仕事は」
「虎探しだ」
「……虎探し?」
最も疑わしき人物は既に見つかったのだけれど。
「近頃街を荒らしている『人食い虎』よ。倉庫を荒したり畑の作物を食ったり好き放題。最近この近くで目撃されたらしいわ」
そう云うと、突然敦君の様子が変異した。まるで何かを隠すように、信じられないとでも云う様子で。
「ぼ、ぼぼ僕はこれで失礼します」
この場から逃げようと、敦君はまるで何事も無かったかのように去って行こうとした。それも妙に怯えた様子で。しかしながら、やはり国木田君が淳君を無理やり引き止めた。
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綺羅(プロフ) - 太宰さんは、スカートなのですか? (2017年1月3日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» いえ、改善点を見つけられたのでこちらこそありがとうございました。 (2016年7月24日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
奈江 - 確認しました。 わざわざ訂正ありがとうございます。お手数おかけしましてすいませんでした (2016年7月24日 23時) (レス) id: c67595ed82 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» 第1話だけ編集してみたのですがどうでしょうか(^^; (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» お時間取らせてしまうかもしれませんが、できる限り改善したいと思います。教えてくださりありがとうございました! (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティー | 作成日時:2015年11月2日 19時