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それ以来僕は決してカフェテリアに顔を出さなかった。
僕と関わりを持つことで彼女を危険に晒した。
寒々しい冬が過ぎ去った。
雪と共に消えて欲しかった想いは残念ながら居座り続けていた。
時たま画材屋を見る度に思わず入ってしまう。
店主は皆無愛想で僕をチラ見したらまた手元の本に視線を戻すような奴ばかりだった。
だがどれだけ探しても彼女の言う日本画の道具はない。
そりゃあそうかと僕は描くわけでもないのに結局関係の無い絵の具を眺める。
一度知らぬ学生に声をかけられた。
その色はバーミリオン？いい色ですよね、絵描きですか？
バーミリオンの天然の顔料って辰砂って言う鉱石なんですよ〜って。
少しうっとおしく感じたが何だか彼女とのアトリエの日々を思い出し思わず耳を傾けた。
春が来た。
ジョルノと言う少年が来た。
＿そして僕はブチャラティ達と決別した。
宛もなくさ迷いどうしようもない虚無感に苛まれながら本屋へ立ち寄る。
特にすることもないからと画集コーナーを覗いた。
あの日の時のように居ないかと期待して覗いた先には些かやつれたオッサンが一人だけだった。
会ってはいけないと思う反面会いたいと願う僕がいる。
何故かは本当に分からないのだが。
答えを見つけられないってこんなに苛つく事なのか。
初めて知った。
嗚呼この絵は彼女が好きそうだ、と手に取って見てみる。
と、その時肩をトントンとつつかれた。
「オニーサン一人？私が本選んであげよっか？」
「結構だほっといてく＿＿」
ひらっと手を振り笑う彼女に目を見開いた。
少しだけ伸びた黒髪に栗色の瞳。
春色のリップは控えめで可憐な印象だった。
「久しぶり、フーゴ」
「A、さん...」
思わず本を落としかける。
慌てて持ち直し本棚に戻した。
「ずっと待っていたのに、あのカフェで」
「ごめん」
むくれっ面を浮かべた後Aさんはまた暖かな日差しのような笑を浮かべる。
そしていつもの言葉を言った。
「ねぇ、久しぶりにアトリエ見ていく？
もうすぐで一枚完成するの」
「...いいのか？」
「何言ってるの、いいから言ってるんじゃん」
おかしなフーゴ、と擽ったげに言うのに対し僕はそうだなとだけ返す。
じゃあ行こうと言う彼女の後を縫う様について行った。
相変わらず不用心だなと、変わっていない事に少しだけ気持ちが和らいだ気がした。
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鈴鶴＠メガネ＝本体(プロフ) - さくらんぼ＆チェリーさん» そんなｯ！あなたがｯ!!大好きですｯ!!!(告白)ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！ (2019年8月25日 16時) (
レス) id: 022f546ed4 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ＆チェリー - もう！本当に!!どうしてこんなに素敵なお話が書けるんですか！？好きです！(ﾃﾝｼｮﾝ) (2019年8月25日 9時) (レス) id: ced51d468f (このIDを非表示/違反報告)
鈴鶴＠メガネ＝本体(プロフ) - さくらんぼさん» 読んでいただきありがとうございます！是非ごゆっくりしていってください！ (2019年8月22日 20時) (レス) id: 022f546ed4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鶴＠メガネ＝本体(プロフ) - 暇を持て余した夢女さん» とっても素敵な表現ありがとうございます...！こちらこそ幸せです！また機会がございましたらその時はよろしくお願いします！ (2019年8月22日 20時) (レス) id: 022f546ed4 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - 次から次へと呼んでしまいます。気づいたら1時間ぐらい経ってました。 (2019年8月22日 15時) (レス) id: 5e7806b95a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鶴＠メガネ＝本体
| 作成日時：2019年8月4日 19時
