９ 歓喜 ページ9
しかしAの心配もつかの間、”小説展示館”のイベントが行われる日に両親はどこかへ出かけるようだった。
ドアの外から出かけないか、留守番しても大丈夫なのかと声がかかったわけではない。
ただ偶然、Aの部屋まで二人が話しているのが聞こえたのだ。
話し声が遠ざかっていき殆ど聞こえなくなった途端、Aはガッツポーズをしてスマホを開いた。
そして参加を申し込み、自分のアカウント名やパスワードなどをどんどん打ち込んでゆく。
(やった、やった！やっとAとして外で誰かと話せる！私をからかう人や締め付ける人がいない、理想の世界へ！)
これほどAが喜んだ時があっただろうか。
参加の申込みが終わると、Aはすぐ自分の”小説展示館”のページやツミッターを開いた。
そこには大量のメッセージ。
”Aさんはイベント来られるんですか？”
”Aさんに会ってみたい！”
”はわ・・・Aさんに会えるなんて・・・”
”いやまだ会えると決まったわけじゃないから(笑) でも・・・会えるなら会いたい・・・”
皆も私を待っていてくれるんだ。
Aは嬉しくなって、早速返信やツミートを始める。
するとさらに多くの反応が返ってきた。
思わず頬が緩む。
上手く抜け出して上手く帰ってくれば大丈夫だろうとAは思った。
でも、Aは大切なことを忘れていた。
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Aの両親がどこへ行き、いつ帰ってくるのかということを聞き漏らしていたということに。
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リアナ-璃亜那-(プロフ) - レミードールさん» ありがとうございます！違和感のある文章等ありましたら遠慮なく言ってくださいね！ (2021年9月21日 15時) (
レス) id: 6afe7efa1d (このIDを非表示/違反報告)
レミードール - とっっっってもおもしろいです！ (2021年9月21日 15時) (レス) id: 2c7b3635e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リアナ-璃亜那- | 作成日時：2021年7月24日 12時
