第106夜 暗殺者と剣士の優しさ。 ページ8
「……」
あれから……何日たった?
長いような短いような。
感覚が、ない。
昼も夜もわからない。
「……」
瞼に母さんの姿を見ながら、うとうとしていた時。
パラ……
?「ぅわっ!!」
ドスンッ
後ろに、悲鳴と音が響いた。
「……は?」
何? 虫?
後ろを向くと、
その人物も私に気づいたようで。
私の方を向いた。
アリ「……よう、久しぶりだな、A……
げ、元気か?」
そこにいたのは、紛れもなく______……
アリババだった。
*
「……何しに来た。下手すれば、お前も死罪だぞ?」
アリ「……
______助けたくてさ」
アリババの一言にドキリとする。
アリ「寒いだろ? これ、着ろよ」
上着をふわりとかけられた。
暖かい。
「……」
アリ「……似てると、思ったんだ」
「は……?」
アリ「俺と、A」
「はぁ?」
突然そんなことを言い出す彼に、拍子抜けしてしまう。
アリ「Aの過去……教えてくんねぇ? その……力になるなら協力するし」
「……っ」
コイツは……
どういう思いで、こんな……
「……」
アリ「……!」
いつの間にか涙が溢れた。
「わ……悪い……」
それは、
優しさですか? ……易しさですか?
アリ「A……」
「……話してやるよ」
アリ「……え?」
「……私の、過去」
もう。
死ぬし。
胸に溜めたって、無駄だ。
「私は……ごく普通のムスタシムの国民だった」
私は静かに語り出した。
「……幸せだった。……幸せだったよ。
……______でも、ある時を境に……その幸せは、消えた」
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紫陽花 まろ(プロフ) - 涙が最後に出てしまいました.。6年も前の作品ですが、こんなに素晴らしい作品を有難うございました! (2021年6月12日 6時) (レス) id: 8b270542da (このIDを非表示/違反報告)
すず - 感動しました!すごくすごくおもしろかったです!無理しない程度にこれからも頑張ってください。応援してます (2015年11月21日 20時) (レス) id: 16ba3c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
さっくり - うっかり涙が… 感動しました!完結、おめでとうございます。 (2015年9月27日 21時) (レス) id: dcacea1d09 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 感動しました!ありがとうございます (2015年2月22日 20時) (レス) id: 9f8b102774 (このIDを非表示/違反報告)
芽音亞((スマホ - クロさん» そう言っていただけてとても嬉しいです!! (2015年1月25日 12時) (レス) id: b9f8c5bcfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芽音亞 | 作者ホームページ:http://あったりなかったり←
作成日時:2013年11月9日 7時