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Aと俺はいわゆる「幼馴染」ってやつだ。
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ヒデがさっき言ってたように、家が隣でマジでマンガのような展開。
同い年で一人っ子同士ということもあってか、両親同士も仲が良く、二人で遊ぶことがしょっちゅうだった。
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小さい頃からしっかりしていたAはいつも俺のことを引っ張ってくれていて
背が低かった俺は周りの大人や、保育園の友達に「女みてぇ」とバカにされていた。
それに加えてすぐに泣くもんだから、遂についたあだ名は「泣き虫翔」。いやそのまんまか。
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それでもAはいつだって大人で、泣く俺をいつも庇ってくれてた。俺はそんなAが大好きだった。
小学生にあがっても泣き虫な要素は全然抜けなくて。Aにぴったり。そしてついたあだ名は「金魚のフン」。いやまたそのまんまか。
登下校もいつも一緒。だけどAは嫌な顔なんか一つもせずに、いつもニコニコしてくれた。
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小学校高学年。なんとなく周りもおすましさんが増えてきて、この頃からAは男子に人気なぐらい可愛くなってた。
相変わらず、俺の成長期どこいった？ってぐらい背が低かった俺は前ならえでもいつも一番前。
悔しくて毎日家で牛乳がぶ飲みするも、身長は一向に伸びず。(セノビック買おうかマジで悩んだ)
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中学校にあがって、Aはグンと大人になった。つまり、綺麗になった。
元々頭がよかった彼女は、たちまちクラスの人気者になり、クラスが違った俺の耳にも「白石いいよな」という風の噂が。
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俺はAが好きだった。そう、今も好きなんだけど。
やべえ。これはやべえぞ。
こんな背が低くて、泣き虫で、成績もちょっといいぐらいの、ビミョーな幼馴染なんてすぐに恋愛対象から弾かれる。
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中学一年、秋、櫻井、覚醒。
俺はAに釣り合うために夏休み猛烈に勉強した。それはもう、マジで猛烈に。
身長も伸ばすために早寝早起きを心がけて、乳製品とにぼしを死ぬほど食べた。
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幸い、顔の作りは元々よかった方だったので(マジでっかい感謝、父母！)、そのままで。
そんな俺の必死さが神様に伝わったのか、冬。
ちょっと周りに引かれるぐらい、俺は突然変異のミラクル成長期に入った。
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