【04】 ページ13
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その夜。
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永原「だから。俺、黒崎が好きだ」
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私は久しぶりにど直球の告白を永原にされた。
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保留にさせて欲しいとだけ伝えて、そのまま家まで送ってもらってバイバイ。
この茹だるほど暑い夏を、熱い熱を振り払いたくて全てを脱いでシャワーを浴びる。
ジャーーーーーーー、という水の中で必死に答えを探す。
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ーーーー…雅紀『Aさん、Aさん』
『そんなに走んなくていいから！どうせ転…』
雅紀『うっおっ！？』
『あーあー…、もう言ったこっちゃない…』
雅紀『いった……、こんなとこに段差ありました？』
『段差はない。相葉くんが見えない何かに躓いただけ(笑)』
雅紀『マジっすか』
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そんなぁ、と困った顔で笑ったあの顔が何度も私の心の片隅でリフレインする。
どうしようかーーーー…、きっと永遠に出てくれなさそうだったこの問いの答えは
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「ーーーー…え？」
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思いもがけない、翌朝に出た。
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雅紀「あっ、コーヒー。シミになっちゃいます」
「…え、あぁ、ごめん…ありがとう」
雅紀「俺、ハンカチぬらしてきます」
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パタパタ…と給湯室へ消えて行く相葉くんの背中を眺めて深呼吸。瞬き。
ーーー…昨夜。お風呂から上がって、何気なくスマホを掴むと『明日の朝、お話したいことがあります』とだけ入っていた彼のライン。
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『わかった』とだけ伝えて、いつもより早く出社するとそこにはもう相葉くんがいて。というか彼以外いなくて。
背中合わせになっている私たちの席。くるりとお互い椅子を回して向かい合うように座る。
それから彼の、口からこぼれた言葉。
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私は同時に、コーヒーをこぼしてしまった。
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雅紀「お待たせしました、せっかく綺麗なスカートに」
「ごめん、ありがとう…」
雅紀「いえいえ」
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まるで王子様。
その場にしゃがみこんで、座っている私の足元に。
ぬれたハンカチでポンポン、と優しくコーヒーがこぼれてしまったスカートに応急処置。
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でもそれは、徐々にシミを深くしていく。
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「…あいばくん」
雅紀「はい」
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「…結婚、おめでとう」
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