１５曲目 ページ15
.
地下駐車場から車を出し
「黒」が歩いて行った方を追いかける。
まだ、そう遠くへ行っていないはず。
「いたいた。」
少し「黒」の先に車を止めて窓を開け
車の前を通る瞬間声をかけた。
「おい。」
ふと止まった「黒」がこっちを向く。
「乗れば。」
そう言った瞬間。
黒『来ると思った。』
そう言って、ニヤ〜と笑い
平然と車に乗り込んだ。
少しだけゾッとしたが
何とか切り替えて発進する。
とりあえず、気になってた事を聞いてみよう。
「・・・お前さ。心読めるの？」
黒『うん。』
「じゃあ、今俺が考えてる事は？」
黒『黒い。』
「は？」
黒『黒いの。あんたの心。』
「じゃあ、読めないの？」
黒『今は、わからない。』
「でも、お前この前俺にカタコトで
何か言ってただろ？」
黒『・・・・。
・・・・記憶無い。』
・・・・何か、引っかかる。
「何？お前良く記憶飛ぶわけ？」
黒『・・・疲れれば。』
「へぇ。
じゃぁ、この前やってた占いみたいなのは？」
黒『あれは・・・・何となくわかる。』
「赤ちゃんが云々ってのは？」
黒『あれは、赤ちゃんの心の言葉を受け取った。』
「ほぉ。
そういうの、わかんだ。」
黒『赤ちゃんは純粋だからわかる。
大人の方が難しい。』
「なかなか、奥深いものですな。」
黒『そうですな。』
そんな感じで車内での時間はゆっくり
まったり過ぎていき。
１時間半ほどで、「黒」の住む家に着く。
んー・・・
一言で言ったら
ボロ家。ボロアパート。今にも壊れそう。
「お前、ここに弟と住んでんの？」
黒『うん。』
「住みづらくね？」
黒『普通だよ。』
「そっか。」
黒『うん。
・・・じゃぁ。
ありがとう。』
「お、んじゃ。
・・・・・あ。ちょぃちょぃ。
お前、名前は？」
黒『・・・・。何だと思う？』
「わからねぇよ。」
黒『・・・別に、「黒」でいいけど。
んじゃ。またね。』
・・・・・何だよ。
やっぱ、見えてんじゃねーか。心。
でも、「また」があるんだ。
それが、柄にもなく嬉しくて。
少しだけ踊る心で帰路に着いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遙奏(プロフ) - 嵐軌龍 愛知さん» ありがとうございます！どうか、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。どうぞ、これからもよろしくお願いします☆ (2013年6月11日 18時) (
レス) id: bac5a87187 (このIDを非表示/違反報告)
嵐軌龍 愛知(プロフ) - すっごく面白いですね！次章期待してます！！！ (2013年6月11日 15時) (レス) id: 4a97d6072e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2013年4月9日 0時
