ワタシの事情2 《3B》 (ページ8)

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"そうだね"

なんて笑っていったけど

この幸せなデートは、練習のためなんだよね、

ちょっと悲しい気持ちになるなんて意味わかんない私。

うちのアパートに車を横付けしてくれて

"疲れたでしょ、ゆっくりね"

"バイバイ、また今度"

いつも通り優しい蓮が車を降りる私を笑顔で見送ってくれる。

ほんと他の女子大生に嫌われちゃうんじゃないかってくらい贅沢な時間を過ごしたくせに

モヤモヤしながら階段を上る。

と、

「え？！
　な、な、なんでいるの？！」

心臓が止まるんじゃないかってくらい驚いたのは

ドアの前に体育座りしてる男性がいるから。

『なんで目黒とデートなんか行ってんの』

「渡辺さんったら、またいじけちゃって」

バレたら渡辺さん、拗ねちゃうだろうなって思ったら案の定拗ねてるし

てかどうして、もう渡辺さんの耳に入ってるのか...

想定外の速さに、やっぱり渡辺ー目黒の情報網なめるべきじゃなかったな、なんて思う。

「えっ、と、
　まずなんで私が蓮といたの知ってるの?」

『…マウント取られた』

「ま、まうんと？」

『これ、見ろよ』

そう言って差し出された渡辺さんのスマホ画面には

目黒今しょっぴーの偽彼女といるよー

あちゃ…こりゃ、渡辺さん拗ねるに決まってるよね。

ただでさえも誘われてないだけで起こり出すのに、しっかりマウント取られてるし、

「あら、蓮、しっかりマウント取ってるね」

こんなことしても、誰が得するのかわかんないけど、とにかく楽しいデートの後に拗ねてる男児(5)の相手をしなくちゃならなくなってとても困ってますよ！蓮さん！

『もうさ、ほんと、まじ、ツッコミどころ多すぎなんだけど』

「はぁ…」

『とりあえず話長くなるから、家入れて』

体育座りの男児(5)は、許可したわけでもないのに強引に家に入ってきた。

これはまだまだ夜は長そうな予感です…

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