愛欲。【skt】【usss】 (ページ10)

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煌めきページ10

それはもう、煌びやかな時間だった。

彼らの歌声は温かくて、輝いていて、

何より...坂田のあんなに楽しそうな顔は初めて見た。

『想像以上でした。...すっごく、楽しかったです』

｢ほんと？Aちゃんが楽しめたなら良かった！｣

『またぜひ、邪魔じゃなければ、聴かせてください』

｢えー！そんな言うてくれるなんて、もうAちゃんcrewやね！｣

『くるー？』

船の乗客的な意味での、くるー？

｢俺らのグループ名、浦島坂田船って言うんよ。頭文字とって！｣

｢俺が名付けたんよ｣

『あ、だからcrew...！』

浦島坂田船...志麻さんのネーミングセンスはすごいな。

｢ちなみにー、誰推しになりそ？｣

センラさんの悪戯っぽい顔に、思わずどきっとする。

『お、推しですか』

｢いやそれは俺やろ！幼なじみやし！？｣

『...うらたさんで』

また志麻さんとセンラさんが｢ぶっwww｣って言ってる...

｢っえ、おれ？｣

拍子抜けしたみたいな顔してる。心做しか耳も赤い。

『歌唱力とかは皆さん同じくらい高いと思うんですけど、なんていうか...どの曲を聴いてもうらたさんに合ってて、曲を自分のものにしてるっていうか、』

｢ちょ、ま。ストップ！これ以上はいいよ｣

『あ...すいません、知ったようなこと言っちゃって』

｢いや、それはいいんだけど。...あいつの顔が...｣

あいつ、と言って指を指す方向には、どういう表情？という顔をした坂田。

｢Aの言ってることは間違ってないし...4人の中ならうらさんって言うと思ってたし...｣

｢嫉妬と怒りと悲しさと...w負の感情が全部詰まってるんやけどwセンラあとは任せたわw｣

｢ちょ、志麻君！2人でなんとかしようや！｣

『さ、坂田？』

｢...ええよ、推し変して後で坂田家になればええんよ。｣

『...坂田のあんな楽しそうな顔、初めて見たよ。だからなんか、かっこいいっていうよりかは、輝いてたっていうか...目を惹き付けられた、っていうか』

｢ほんま！？｣

『ほんまほんま』

あからさまに上機嫌になってる...

なんで坂田は、こんな私のことを好きでいてくれるんだろ。

『時間が、止まればいいのに』ﾎﾞｿｯ

｢？Aちゃん、なんか言うた？｣

『...いえ、何も！』

好きっていうのは永遠じゃない。

だったら、いっそ好きになってくれなければ。

...坂田もきっと、いつかは私に冷めるんだから。