一話 ページ2
あ「終わった、そっちは?」
ミ「終わった」
今日の任務は政府が手に負えない厄介な非合法組織の殲滅。
建物が少し大きいため、二人で別れて組織の人間を殺めた。
死体の処理はスモークに任せ、ロビンに乗りその場を後にする。
その際に「お疲れ様」とスモークに声を掛けられたので「処理宜しく御願いします」と笑った。
ミ「…ルイ、腕怪我してる」
車内の運転席で運転してるミラージュが急にそう言ってきた。
あ「怪我してるね…まぁ、後で手当すれば良いだけだし大丈夫だよ」
ロ「いえ、直ぐに手当して下さい」
あ「ええ?…寝たいのに」
今日の任務は午前三時からだったため、あまり睡眠を取ってない。
昼でも寝る時間がないから今は寝かせてほしいのが正直な話だが、まぁ、ロビンとミラージュが心配してるんだ、手当しよう。
ロ「昼は寝て居なかったんですか?二人共」
あ「そうだよ、眠そうにしてないミラージュに吃驚だ」
ミ「もう慣れた」
私が孤児院から引き取られてから五年間は決まった時間に戦闘の訓練をしていただけだった。
四年前、御崎さんに「ミラージュと一緒に任務をしろ」と言われてからほぼ電話の呼び出しで任務を遂行しているのだが…。
あ「私は慣れない、今日はもう任務無いことを願いたいな」
簡単な手当を行い、窓の外に目を向けた。
日が上がって少し眩しい。
ミ「そろそろ俺は降りる、ロビンを送ってってもらっても良いか?」
あ「良いよ、私も後程行くね」
ミラージュは表と裏の顔がある。
裏は今の、無表情で任務を遂行する殺し屋。
表は左翔太郎と言う、風都という街をこよなく愛する私立探偵。
序に私はミラージュの事を把握するように言われてるため、左翔太郎の時は幼馴染としてよく探偵事務所に出入りする。
ロ「ミラージュは、園咲来人を殺す任務は出来るのでしょうか」
あ「…んー、本人は強がって『出来る』て言うと思うけど、無理だよ」
左翔太郎の相棒、フィリップ。
正体はガイアメモリを製造する組織である園咲家の末っ子、園咲来人。
ミラージュにだけ伝えられて居ないが、園咲来人はK-13の監視対象。
『地球の本棚』を閲覧出来、メモリに繋がっていた存在として危険人物となっている。
あ「友情とか、相棒とか…よく分からないや」
私はそう呟き、ロビンを運転して鐘ヶ淵整備工場に向かった。
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作者名:秋夢悠 | 作成日時:2017年8月16日 1時