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『罰としてプール掃除をしてもらう』
そう言われたのはあほみたいな顔をしている私と、隣にいる坂田っていうあほ。
巻き込まれた。完全に巻き込まれたよこれ。
なぜこうなったかと言うと、それは1時間ほど前に遡る、
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「おーす!A!」
『あついよー、あほ』
私は夏休みに坂田に呼び出された。
教室に宿題を忘れたから一緒に来いって。
いやいや、ひとりで行きなよって話だ。
でもアイスを奢ると言われて断れなかった私も私なのだろう。
学校の門をくぐると日陰はほんとんどない。
私よりも生意気に身長が高い坂田の影を利用し、歩いて昇降口まで来た。
野球部の掛け声や、テニス部の笑い声を聞きながら下駄箱まで駆け込んだ。
「んー、ちょっとしか変わらへんな」
『なにが』
「外との体温!」
『へ?気温でしょあほ』
「あちゃー」
本気で間違えたわ!って馬鹿みたいに笑う。
なんか疲れてきた。
ほら早く、と坂田に手を引かれ、自分たちの教室がある三階までそのまま登った。
上に行く度に暑さが増す。
「とうちゃーく」
『手放して、手汗』
「おれ手汗出ないし!!バカ野郎!」
『はいはい。』
教室のドアを開けると熱気がムーンと来た。
もう暑い。これだけでも暑い。
『廊下にいるから早くとってきて』
「はーい」
とことこと進んでいく坂田をみて、ちらっと廊下の窓から外を見た。
運動部ってこんな炎天下の中よくやるなー。
空が青い。雲ひとつもない。
蝉がうるさいな。
なんて考えていたら、
「Aー!!ちょっと来てくれへん?」
と大声で呼ばれて肩がビクッとなった。
『もーなに。』
「ええから早く早く!」
坂田が興奮気味に私を呼ぶ声が廊下に響く。
どうせしょうもないことなのだろうと思いながら向かった。
「ほらみてみて!中居の成績表!」
『は?』
中居とは中居みずか、学年一位の成績を持つ子。
そんな子が成績表を忘れていくはずがない。
恐る恐る成績表に手を伸ばした時
ガラッと前のドアが開いた
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作者名:はなの | 作成日時:2018年8月17日 2時