第272話 ページ19
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田舎の宿は容易く借りれ
隣のAが背を向けて寝息をたてる
だがしかし
「ねぇ、布団が2つしかないなら俺と寝てよ」
「断る」
「えーいいじゃん。俺と寝て。」
「お前が言うと別の意味に聞こえる」
「うわーAのエッチー」
「万斉、寝るぞ」
というやり取りがあったとはいえ
同じ布団にAがいるのはいたたまれない
万斉「.......」
壁を背にすれば充分だと
そっと布団から抜ければ
貴「お前が出るくらいなら私が出るぞ」
目を瞑ったままAが口を開いた
万斉「起きていたのか」
貴「あァ」
いや、起こしてしまったのだろう
貴「私がいるのは嫌か」
万斉「.......そうではない」
貴「いいさ」
万斉「だから違う」
ぬしに触れるわけにはいかない.......
貴「.......」
万斉「.......」
幾度となく耐えてきた
涙を拭ってやりたかった
大丈夫だと包んでやりたかった
頑張れと左目に触れたかった
だが触れるわけにはいかぬ.....
貴「お前は必ず私と一線置くな」
万斉「.......」
それをするのは拙者では無い
貴「まァ、あの隅っこで拗ねて寝てる兎よりかマシだが」
万斉「.......」
貴「なァ、万斉。
お前にとって、私はなんだ」
万斉「.......」
貴「主君か。」
万斉「いきなりどうした」
貴「.......私はお前のために動けているのか
最近よく思う。なんで私なんぞの元にお前達が集まったのか」
万斉「.......」
貴「.......万斉。私はあってるのか
私は先生のために闘えているのか」
また不安が募っているのか
貴「......あってるわけねェわな」
最後に嘲笑う声を残し身体を起こそうとするA
万斉「.............拙者にも分からぬ」
貴「ば、万.....」
己の気持ちを抑える為にも触れることはできぬが
布2枚越しの背中あわせなら
拙者もバチはあたるまい.........
貴「.......珍しい」
万斉「小さい背中でござるな」
貴「お前に夜明けはこなくなるぞ」
万斉「そうだな。せめてこの世の夜明けは見たいというもの」
貴「悪いな。私は壊すんだ」
万斉「ふっ....。」
明日の夜明けまで
もう少しこのまま...。
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たかすぎりた(プロフ) - 高杉銀時さん» 大変お待たせしてしまいました。温かいお言葉が支えになりました。ありがとうございます。これからまた頑張っていきます! (2022年3月10日 20時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
たかすぎりた(プロフ) - 紫糸。さん» 長すぎる休息になってしまいましたが、支えになりました。どうかお楽しみください (2022年3月10日 20時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
たかすぎりた(プロフ) - 空麦さん» どの作品も応援していただきありがとうございます。いつも癒しになっています。大変長らくお待たせしてしまいましたが、どうかお楽しみください (2022年3月10日 20時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
たかすぎりた(プロフ) - 鈴音さん» 優しいお言葉に本当癒されました。大変長らくお待たせしてしまいましたが、どうかお楽しみください! (2022年3月10日 19時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
たかすぎりた(プロフ) - 紅桜 赤華さん» 全く同じでした。でも皆さんの温かいコメントでようやく戻ることができました。これからもよろしくお願いします! (2022年3月10日 19時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高杉りた x他1人 | 作成日時:2019年4月29日 15時