色を知らないお前に見せたい色、戸惑う色【高杉晋助】

第44話 ページ45

貴方side









望むもの









全てある









退屈しない。









でも外は見れない









外に出れない









そして









貴方様がいない









聞こえてくる









怒号と爆発音









.









それでも夜は静かだった









.









ｶﾀ………








隣から聞こえた物音に体を起こす









ｺﾝｺﾝ……









貴「万斉さん……………」








ｶﾞﾁｬ、





部屋の主の有無を聞かず扉を開ける









河上「主という女は………………」








貴「どうして…………」









………雨、降ってましたか









河上「………………仕方ない。


何か聞きたいことがあるのでござろう。


こんな姿を見られては言い訳が苦しい」








この人が賢いのは高杉様の信頼ぶりからよく伝わってくる





包み隠さず全てを話してくださるか





うまく丸めて偽りを語るか…









貴「………まず、率直に…………………






ここはどこですか」









河上「………伊賀に向かっているでござる」








貴「御庭番衆の……？」







河上「そうだ。」







貴「………どうして…鬼兵隊が……将軍様の………」








河上「過激派攘夷志士……。


はたから見れば鬼兵隊はいい組織ではないことは分かっているな」








貴「はたから、です。



だけど鬼兵隊の皆様はこの国を______________」







河上「いい。主がそれを知ってるならそれでいいでござる。




なんと言われようと高杉晋助が目指した道なら


あぜ道であろうと間違った道であろうとついていくのが我ら鬼兵隊。



……………今回は最後の、復讐劇でござるよ」









貴「…………………………」









河上「世界を壊す………。その大手をかけている」








貴「将軍様を………………」








河上「だがそれだけではない。復讐劇とは将軍を取ることではない」








貴「………………復讐………………」








何か








引っかかる









河上「晋助は」









胸がうるさい









何かグッと来そうで








耳を塞ぎたくなるが









聞かないとこの靄は晴れない









高杉様の言葉の数々、行動……









思い出せ………………









何かがおかしい









ミステリアスなあの方の考えている事………









.









河上「これが鬼兵隊総督、高杉晋助の最期かも知れぬ」

第45話→←第43話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す