【浦島坂田船】握手会の記憶

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う｢俺達は、浦島坂田船っていう歌のグループを組んでるんだ。｣

『グルー…プ？』

うらたさんは黙って頷く。

う｢昨日は握手会があってな、沢山の人が来てくれた。｣

『はい…』


う｢そこに…な、｣

う｢Aちゃんも来てくれてたんだよ。｣


『…！私が、握手会に…』


うらたさんはもう一度黙って頷く。


う｢Aちゃんの番になった時に、Aちゃん、倒れちゃってね。｣


『え…』


う｢それから看護師免許持ってる坂田が急いで病院連れてったんだけど、一向に目が覚めなくて。｣


『そんな事が…』


覚えて、ない。


う｢覚えてない、よな？｣


『すみません…はい、覚えてないです。』


うらたさんは優しく、にこ、と笑って｢大丈夫｣と言った。


う｢先生曰く、Aちゃんは、何か過度な気持ちの変化とか、まぁストレス…？が原因で、｣


う｢記憶が、なくなっちゃったみたいなんだ。｣


『そう…なんですね…』



う｢これは、さ。俺達にも原因があると思ってる。｣

『え？』

う｢多分、俺達の握手会の会場に、Aちゃんが記憶を失ってしまうようなものが、あったんだと思う。｣

う｢俺らが握手会を開かなければこんな事にはならなかったはずだし…｣

『そっ、そんなことないです…！よく分かりませんが、それは過去の私が来てしまったから…！』


う｢ふふっwそっか、Aちゃんは優しいね。でも、俺らに原因があるのは変わらない。だから、こうさせて？｣

『なんです…？』


｢Aちゃんの記憶を戻す、お手伝いをさせて。｣

『え？』

う｢役に立つかはわからないけど、なにかきっかけにはなるかもしれない。ね、お願いします…！｣

うらたさんがそう言うと、あとの3人も｢お願いします！｣と顔を下げる。


おてつだい、か…


『いいですよ！』


う｢ほんと！？｣


4人がいっせいに、ぱあっと嬉しそうな顔をする。

あぁ、過去の私がこの人達を好きだった理由がわかった気がする。

すごく、いい人達。

さ｢じゃ、じゃあ！とりあえず明日！遊びに来るね！ゲームとか持ってこようかな…！？｣

し｢おぉ！ええな！やろやろ！｣

『ゲーム…？』

せ｢お、ゲーム気になります？まぁ明日のお楽しみです！｣

う｢んじゃ！そろそろ仕事行かねば！｣

『りょ、了解です…！頑張ってください！』


そして4人は帰っていった。

お手伝い、か。



『4人に迷惑かけないためにも、早く思い出さなきゃ。』

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