準1級なんて称号を与えられたけどやっぱ呪術師は怖いです。２【呪術廻戦】 (ページ11)

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どす黒い実を咲かせたその植物は、伏黒の腹に固く根を張っていて、引っ張ってもとれそうにない。
あああどうしようと焦るAに、真希の怒号が飛んだ。

｢オイA、お前もやべえぞ！｣

｢え｣

まさかと思い、自身の脇腹に手を伸ばす。
するとそこには、触れ慣れない感触が。

｢あ……………………ぁ、っ……！｣

声にならない悲痛の叫び声が、森の中に木霊する。
湧き上がっていた殺意も、Aを突き動かしていた怒りも、その原動力全てが恐怖に変わる瞬間だった。

━━━━━━━ドスッ！

｢真希さん！｣

刹那、2人に気を取られた真希を、伸びてくる木の幹が襲う。避け損ねた左腕から赤い血が溢れた。

(あああ私の所為や、私がしくじったから伏黒くんまでやられて、その所為で真希まで……！)

『心臓を狙った一突き。素晴らしい反応です。
術師というのは殊の外、情に厚いのですね。仲間が傷つく度隙が生じる』

どのみち足を引っ張ってしまったのは確か。
腹部を襲う痛みと全身を駆け回る疲労を必死で押さえ込み、立ち上がろうとした時だった。

━━━━━━パシャ、

｢ぎょ、玉犬が………………？！｣

花御に飛びかかろうとしていた『渾』が、どろりと解けて影に戻ってしまう。破られてしまったのか、それとも伏黒自身が術式を解いたのか。

『もう呪術は使わない方がいい』

どうやら答えは、後者だったようだ。

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