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そして、わたしがここまで緊張してる理由。
前に難破くん家に泊まったけど、まだ友達の家に遊びに来るのは慣れてないこと。どこもかしこも高級品だらけの部屋に通されたこと。
……それだけじゃない。
「難破くんに姉崎さんって言ったっけ?」
穏やかな声に、伸びていた背筋がもう、なんかこう……シャキーンってなった(語彙)
リビングから姿を現したのは、お淑やかな白のワンピースに身を包んだ伍代くんのお母さん。かの有名な、料理研究家の伍代里美さんだ。
(ほ、本物〜〜!!!!)
前も言ったけど、わたしはこの人の料理番組を見て料理を覚えたの。ファンって程ではないけど、いつも画面越しに見てた姿を前に、緊張と興奮が織り交ざってなんかすごい複雑な気持ちになった。
わたしは嬉しくて嬉しくて仕方ない、んだけど。
「ウチの直樹をあんまり悪い遊びに誘わないでね?」
僅かに引き攣った笑みを称えて、里美さんは言う。
……うっ。めっちゃ悪いイメージ持たれてますわたしたち。
見るからにって感じの難破くんはもちろん、わたしもそうだ。
ヤンキーに目をつけられないよう…ヤンキーに溶け込むために髪を染めたくらいなんだから、里美さんの目にはわたしも不良に見えてるんだろう。
初対面でいきなりダメ出しされるなんて思ってもなくて、その言葉のひとつひとつがグサッと刺さる。メンタルに。
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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました! (11月3日 2時) (レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2023年11月1日 15時