彼氏に浮気、されちゃいました。

新しい自分 ページ30

沢村side(ほとんど電話の会話です)


その後、俺が今日あったことについてA先輩に話した。


『沢村君は野球好き？』

沢村「好きっスよ。野球は嫌いになったことありませんし……」

『じゃあもっと頑張んないとね！大好きなことには目標あり。目標を果たしてから新しい自分が生まれる。』

『嫌いならきっと新しい自分は生まれてこないよ？』

沢村「先輩は新しい自分って見つけたことあるんすか？」

『あるよー！』

沢村「今日のヴァイオリンコンクールのことですか？」

『うん』

俺の試合と被ってしまったヴァイオリンのコンクール。

先輩はその日はコンクールがあるから試合見に行けないと断っていたのを思い出す


沢村「コンクール頑張ってください……」

『………沢村君ってさー元気ないけどなんで元気ないの？』


沢村「え？」

『少なくとも私は沢村君に』





『甲子園に連れてってなんて頼んでないよ？』




え？それってどういうこと？俺には無理なのを知ってたの？




『沢村君のカッコイイ姿が見たいって頼んだんだよ？』



沢村「………え？」



電話越しからクスクス笑う先輩の声が聞こえてきた。



『沢村君が野球やってる所を初めて見た試合、沢村君すっごくカッコよかった……』


だんだん思い出してきた。観客席から先輩のことを見つけたあの日のこと


沢村「ホントに……カッコよかったッスか？」


『うん！』


だんだん頬が赤くなるのがわかった。


その後、何分ぐらいか話して通話が終わった。





でも、先輩の最後の言葉が気になる。



『私みたいにならないで』





先輩のようにならない………？

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