彼氏に浮気、されちゃいました。

瞬間 ページ29

カキーンとボールが打たれる音、ゲームセットという審判の声が響きわたり、泣き崩れる人や嬉しそうに笑う人の中、甲子園出場校が決定した西東京大会 決勝。


ヴァイオリンの音がスッと終わりを告げ、歓声が溢れる中、予選通過者が決定したヴァイオリンコンクール。




野球球児、ヴァイオリニストの夏は終わった瞬間だった。


そして３人の新しい秋が幕を開けた____________



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沢村side

沢村「倉持先輩……」

倉持「……んだよ」

沢村「A先輩の電話番号、教えてください。」


試合の後、帰ってきてご飯を食べた後部屋に戻って倉持先輩にそう言った。


倉持「なんでだよ…試合、負けましたって言うのか？」


そう、俺のピッチングのせいで３年生の夏を終わらせてしまった。


沢村「ダメっスか…？」


倉持「………」


倉持先輩の目は赤くなっていて俺を睨みつけながらA先輩の電話番号を紙に書いていった。


スラスラ書いている中、倉持先輩はこんなことを言ってきた。


倉持「今のお前じゃあいつを守れないぜ？沢村。」


沢村「……どういうことっスか？」


倉持「あいつよりお前の方が弱ってるからだ。弱いお前になにができる。」


ほらよと紙を渡され倉持先輩は部屋から出ていった。

倉持先輩の言ってることが俺が守ると言ってるように聞こえた。



俺は弱い。俺は強くなんかない。


倉持先輩からもらった紙を見てA先輩に電話する。



プルルルルと何回か鳴ったとき


『もしもし。』


沢村「……沢村です。」


『あっ！沢村君？どうしたの？』



自分の大好きな人の声を聞いた途端、涙が一気に出てきた。




沢村「先輩。強さってなんですか？……」






俺は先輩を守りたい







でも、弱い俺になにができる？

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ほ、星が………

赤いだとぉぉぉぉぉ！？


もう涙が止まりません(T^T)

ありがとうございます！

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