彼氏に浮気、されちゃいました。

ぶつかった人 ページ24

その後、試合は順調に進み、沢村君が投げたボールの後に

審判「ットラーイク！バッターアウト！！」

という審判の声が会場に響き渡った。

ベンチに戻ろうとする沢村君に声をかける人達。

「栄ちゃん！ナイスピッチ！」

「ナイスピー栄ちゃん！」


みんなは沢村君のこと「栄ちゃん」と呼んでるらしい。仲良しなんだねー

沢村君は気づいたようで観客席に向かってぐっと拳を前に……


『すごいなー…沢村君。』

諦めない強い心。私も見習いたい…

そんなことをボソッと言ってると…


沢村「あっ！！A先輩！見に来てくれたんスね！どうでしたか？俺のピッチング！」

沢村君は私に気づいたようでニカッと笑いながら話しかけてきた。


『うん。よかったよ。かっこよかった…』


少し微笑むと沢村君は顔を赤くして「いやー」と言いながら頭をかいた。


倉持「早よ入れや！」

沢村「痛ぇな！何すんだよ！せっかく俺がキメたのに…」

倉持「あん？やんのか？」

沢村「ずいまぜん…」

ドカッと沢村君を蹴る倉持君と沢村君のやり取りを見て笑ってしまった。

『あはは！』

笑ってると横から視線を感じた。


『ん？』

若菜「っ！！」プイッ


さっきの綺麗な女の子だったらしい。


なんだろう……なんか私の顔になんか付いてるのかな…？

ほっぺたをペチペチ触る。


それにしても沢村君。私のこと名前で呼んでくれたなー……

ちょっと嬉しいかも…



_______________

試合が終わり会場から出る。すると青道野球部の周りにはOBの人たちやファンの人たちでいっぱいだった。


沢村君は綺麗な女の子たちと仲良く話していた。


楽しそうだな……


沢村君に声をかけようとしたけど友達と話してるからそっとしとこう。


よし、帰るか……


足を一歩前に出したとき…


？「おっと！」

『うわっ！』

突然人とぶつかってしまった。試合始まる前も人にぶつかったのに……


尻もちをついた私を起き上がらせようとぶつかってしまった人が手をのばす。


？「すいません。大丈夫で……！？」

急に言葉が途切れていたのでビックリして顔を上げたら………



『か、一也………？』


御幸「…A……？」



元彼とぶつかってしまったようです……。

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