第十九話 T side ページ19
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仕事は藤ヶ谷さんが帰ってくるまでに全て済ませておかなければならないらしい。初日ともあってか自分に与えられたのは掃除のみ。他の人と分担して割り当てられた部屋は5部屋ほど。
早速仕事に取り掛かかろうと掃除用具を手にし、見様見真似でモップ掛けを始めた。
さっきまで横尾さんとキスしていた男の子は何事もなかったかのように清々しい顔をしている。
これから一緒に働くんだもんなあ。
さっきの見てしまって気まずいけど、挨拶はしておかないと。
そう思い、見た感じ自分より年下っぽい可愛い顔をした男の子の方へと駆け寄り、
「初めまして、今日からここで働かせていただく玉森です。宜しくお願いします。」
と挨拶をすれば目の前の男の子は瞬きを繰り返しながらまじまじと見つめてくる。
『え待って、めっちゃイケメン…メイド服も似合ってるし超可愛いんですけど!あ、俺北山宏光。気軽にみつって呼んでくれたら嬉しいな。ちなみに25歳。これからよろしく〜』
軽い挨拶をしたその人はまさかの自分よりも歳上だったらしく、見た目とのギャップに驚いてしまった。
初対面にも関わらずすぐに心を開いてくれて、“分からない事があったら何でも聞いてね”とまで言ってくれた。
おかげで北山さんことみつとすぐに打ち解ける事が出来て、その後の仕事もスムーズに進められた。
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作者名:みやたま | 作成日時:2021年10月16日 0時