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翌日、宮田に言われた通り、話が終わるまで屋上近くの空き教室で待つ事にした。
…が、
話はそこまで長くかからなかったようで、ものの10分ほどで帰ってきた宮田は、あろう事かここが学校だという事もお構い無しに、勢い良く俺を抱き締めてきた。
「っ…と、宮田?誰か来たらどうすんの。」
『…いいじゃん。誰も見てないよ。…ねえたま、俺ちゃんと言ったよ?たまは俺のだって。』
「ふふ、嬉しい。あの子は何て言ってたの?」
気になって尋ねる。
すると、俺の言葉に黙り込んでしまった宮田。
抱き締めたまま宮田がどんな表情でいるかなんて分からず。
知りたくて身体を離そうとするも、より一層抱き締める腕に力がこもり、あっけなく制止されてしまった。
『……そんなの知らなくていい。』
ようやく口を開いたかと思えば、宮田らしくない一言だった。
「何でだよ、気になるじゃん。クラスは違えどこれからも学校で顔合わせる時だってあるわけだし。教えてくれたっていいじゃん。…宮田のケチ。」
もういい、拗ねてやる。教えてくれない宮田のせいだもん。
どうなったか知りたいだけなのに。何で言ってくれないの。
…5分、10分と時間は過ぎていく。
このままじゃらちが明かず、半分諦めモードの俺は最終手段として、ふたりきりの時にだけ出す甘ったるい声で君の名前を呼ぶ。
「…俊くん。」
『…っ』
その瞬間、久々の名前呼びに驚いた様子の宮田はゆっくりと俺から離れた。
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作者名:みやたま | 作成日時:2021年10月9日 1時