宮田くんと玉森くん (ページ11)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:22,622 hit

11:m ページ11

.

次の日。放課後に屋上へ出向けば、案の定そこには昨日の女子が待っていた。

『え…宮田くん？どうしてここに…』

目を丸く見開き、不思議そうに首を傾げている。

俺は構わずその子の方へ向かい、

「驚いてるところゴメンだけど、単刀直入に言っていい？
申し訳ないけどたまは俺のだから。君の気持ちには答えられないって。」

遠慮なんていらないと、少しぶっきらぼうに言い放つ。

すると、昨日のふんわりとした雰囲気はどこへやら。

俺を見る目が鋭く光った。

『付き合ってるわけでもないのに、“俺の”？
それは宮田くんの勘違いじゃないんですか？
私は本気で玉森くんの事が好きなんです。今日だって、覚悟決めて待ってたのに… 私の邪魔しないでください。
大体、玉森くんが宮田くんを選ぶはずない。第一男だし。私みたいにか弱い女の子のほうが好きに決まってる。』

…何だよそれ。

勘違いも甚だしい。

俺とたまの事なんにも知らないくせに。

大体、“好き”の重みが違うんだよ。

高校入ってたかが2年の片思いで自信満々にされたところで俺がひるむとでも？

「あー…それが君の本性なんだね。
女子特有のか弱いアピール？無駄だよそんな事したって。たまはそういうの一番嫌いだからね。」

俺がそう言い放つと、

諦めたのかそうでないのか、悔しそうに唇を噛み締め、俺を睨みつけて出ていった。