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「もういい。宮田の馬鹿。」
そう言ってうなだれるように机に突っ伏して目を閉じた。
いつからだろう。こんなに自分がワガママになってしまったのは。
それは今に始まった事じゃない。
思えば小さい頃から俺の隣には当たり前のように宮田がいた。
貧弱で泣き虫な俺とは違って、何事にも前向きで
真っ直ぐで、どんなに強い相手にも立ち向かっていける宮田は、俺にとって必要不可欠な存在だった。
だからそんな宮田に、俺はいつも甘えてた。
小さい頃も、そして今も変わらず。
………………
『たま起きて。次体育だよ、着替えよ?』
耳を掠める優しい声が頭上から聞こえてくる。
どうやら俺は、あれからすっかり眠ってしまったらしい。
ふわぁっと大きな欠伸をし、寝ぼけ眼を擦れば宮田が心配そうに見つめてくる。
「えーめんどい。今日サボろっかな。」
『だめ。ちゃんと受けないとまた北山先生に怒られちゃうよ?』
「ミツ怒っても全然怖くないから大丈夫。」
いやいやそういう問題じゃないでしょなんて言いながら困り顔で見つめてくるから、もっとワガママ言いたくなっちゃう。
こんな俺にも世話を焼いてくれる宮田だから。
……それに、昔から体育嫌いだもん俺。
日焼けするしバテるしなーんも良い事ないし。
“きらいきらいだーいきらい。”
そうやって子供みたいに駄々をこねれば、
宮田は にへっと微笑んで俺にこう言ったんだ。
『じゃあふたりで北山先生に怒られよっか。』
………偶には悪くないかも、なんて言いながら。
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作者名:みやたま | 作成日時:2021年10月9日 1時