お狐様はスケルトン！？ (ページ6)

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日常ページ6

優しい青が広がる空。雲１つない快晴。
それを見上げる破壊は感じ取っていた。何かの予感を。

「……今年は長クなリソうダナ」
「？？俺は腹を満たしたいんだが…」
「時渡りニ頼め。オレは何も持っテナい」
「そうか…。時渡りがどこにいるか知ってるか？」
「庭で掃除してルゾ」
「ありがとう」

空腹と軽いやり取りをして、縁側に腰掛ける。
始めたのは途中だった人形作り。作っているのは庭で話をしている二人…悪夢と時渡りだ。
悪夢の、少しべたついているが丁寧に手入れされた９つの尾。そして時渡りの人一倍大きな耳。
繊細に、細かい所まで作り込んでいく。
悪夢の衣装は少し不思議だ。とはいえそこまでオレ達と変わらない。ただ少し、羽織が豪華なのだ。
被る部分のついた長い長い不思議な羽織。オレはその羽織を人形で作るのが大好きで。

「あれ？破壊、にやにやしてる！きも！」
「ウルセェ！！幻影と喧嘩でモしてロ人格！」
「えー？つれないなー」

あぁ、いつものやつ作ってるんだ！と楽しげに笑った人格。少し小さめな体に合わないほど大きな尾をふわふわと揺らしている。妙にご機嫌だ。
…まさか。
それを察してしまった瞬間、幻影の寝間が吹き飛ぶ大きな音が轟く。ごう、と爆風が流れてきて土煙が舞う。
曇った視界が晴れた瞬間オレの目に飛び込んできたのは、心底楽しそうに笑っている人格と悪夢、ものすごい剣幕で人格に掴みかかっている幻影、涙目で二人を止めている時渡り、時渡りの袖を物欲しそうな顔で引いている空腹だった。

*…*…*…*…*

「……(もぐもぐ)」
「人格、お前何したか分かってるのか？」
「……稲荷狐の命である社を吹き飛ばそうとしました」
「吹き飛ばしましたよね」
「……はい」

悪夢と時渡りに説教され、拗ねたように尻尾を膨らまし神経質そうに振っている人格。
自業自得なのだが、怒られるのは気に食わないらしい。というのも、実は３日前幻影が能力で人格のトラウマを見せ、危うく人格の能力が暴走するところだったという事件の仕返しのつもりだったようなのだ。

「まァマぁ悪夢、時渡り。こいツモ反省しテるみたイダし、その辺でやめテヤッてくれ」
「破壊先輩……」
「はかいぃ、ありがとぉぉ…」
「礼はいラン。
で？満足しタカ？幻影」
「まぁな。というか俺が悪いし、もう少ししたら止めるつもりだった」
「嘘だ！！！」
「なんとでも言え」
「お前らそろそろ黙れ、飯が不味くなる」