【進撃の巨人】巨人ヲコロサナイデ。

04.外の世界 ページ4

「……綺麗。」


生い茂る樹木の数々。
可愛い動物達が戯れて居た。


もうどうだって良かった。
この残酷な世界で…生きていくのは。


「Aハ、ナゼワラワナイ？」


巨人さんが問う。
どこか柔らかな口調に心が暖かくなった気さえした。


「私は…笑えない。」

「……ソウカ。」


巨人さんは遠くを見つめた。
何故だろう…お母さんを殺した巨人なのに。


憎い筈なのに…怖い筈なのに。
私は狂って居るんだろうか。


いや、狂って居るんだろう。


何故巨人さんは私を喰わない？
本来巨人さんの標的の筈なのに。


「Aハ、オレガマモル。」

「…ありがとう。」


巨人さんとの暮らしは快適だった。
木の上で暮らし、巨人さんが果物等を持って来てくれる。


私はいつからかな。
巨人さんに感謝していた。


行く宛のない私を攫ってくれた事に。
あぁ、やはり私は狂って居るのだろう。


まぁ、良い。
狂っていようが今、生きて居るのだから。


この世界で生きている奇跡。
この残酷な世の中で、息をしている奇跡。


エレン、ミカサ、アルミン。
元気で暮らしてるかな。


ごめんね…皆。
私は今生きている事を噛み締めながら、今日も生きています。

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