108話 ページ16
「奪うっていってもねぇ…。」
「やはり蓮くんの好みに寄せるべきかのう。」
「好みって…、うーん…
相手の人は結構積極的だったけど。」
「我輩ももっとスキンシップを増やすべきかの。
これでも多くしているつもりじゃが。」
「いや、そっちのアプローチじゃなくてさ。
言葉で伝えるべきじゃない?
“綺麗だね”とか“好き”って言うだけでも相手は意識すると思うけど。」
「大胆じゃな…。
それでは軽い男のように思われんかえ?」
「他の人には言わなきゃ良いじゃん。
特別感って大事だよ。」
あれこれと薫からアドバイスをもらう
人にこうして指導されるのは久しいなと考えながら作戦会議は続いた
時間はあっという間に過ぎ、夕暮れ時となった
ガラスの中の氷は溶けきり、飲み物も残り少なくなっている
「なんだか我輩、自信がついてきたぞい。」
「良いじゃん。頑張って。」
「結婚式には必ず招待するぞい。」
「はいはい。」
するとカランカランと入店を知らせる鐘がなった
「あれ?朔間先輩だ!すごい偶然♪」
「あ!本当だぁ。はっくんせんぱいもいるぅ。」
現れたのはひなたとルイだった
2人とも私服に身を包み、買い物の荷物を手にしている
「(はっくん…?)」
「おや、2人仲良くお買い物かえ?」
「そう!ついでにここのパスタが美味しいって聞いて来ちゃった。
先輩達も?」
「たまたまじゃよ。」
突然の後輩達の登場と謎のあだ名に困惑する薫
「確かしらばな(?)くんのところの…。」
「覚えてくれてたんだぁ♪
ルイだよぉ、よろしくねぇ!」
「あ、あはは…。」
すごく女の子みたく可愛らしい見た目なのに男というギャップを味わい薫にかつての記憶が蘇る
「同じユニット同士で集まれるの羨ましぃなぁ。
ボク達は予定が合わなくてぇ。
ひなくんも遊び相手がいないって言ってたから2人で遊んでまぁす♪」
「ユリくんは妹さんと映画だってぇ。
シロくんはお母さんと出掛けるらしいよぉ。」
「「…え?」」
「れーん。今日のご飯は?」
『………パスタ……。』
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作者名:アニット9 | 作成日時:2022年12月25日 21時