幼馴染が過保護すぎる【鬼滅の刃】

第20話「竃門炭治郎ロス」 ページ23

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「これよりキメツ学園第81回卒業証書授与式をとり行います。」




第20話「竃門炭治郎ロス」




竃門炭治郎は眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経抜群と言った完璧人間だった。ただ少し、美術の評価が悪いだけ。その上あの優しさとあの真面目さだ。当然女子人気が高く、毎日のように贈り物をもらっていた。



キメツ学園にはジンクスがある。卒業した後にブレザーの第二ボタンを交換した男女は永遠に結ばれる、と。


そして今日は卒業式、後輩も同学年もみんな竃門炭治郎の第二ボタンを狙っていたのだ。




「見て、死守した第二ボタン。」
「死守するまでもなく残ってたじゃん善逸は。」
「わーわー！Aにあげるために残しといたんだよ！」



卒業式を終えて玄関に人がたまる。私と善逸は人だかりから少し外れたところで話していた。


「にしてもアイツ本当に許せないわ！なんであんなにわやくちゃにされてんの！？」
「本当だよ〜〜私と善逸なんて虚しく2人で交換するんだよ？」
「え！！くれんの！？」
「嘘、伊之助にあげてくる。」
「伊之助にあげても交換できないって！あいつブレザー着てきてないし！」


「A頂戴よ〜」と泣きついてくる善逸を横目に炭治郎の方に目をやる。

あんなに囲まれてるのに嫌な顔一つせずに一人一人に対応してる。


「伊之助もすげぇしカナヲもすげぇな…キィー！！」


他のところに目をやれば伊之助やカナヲも沢山もらっていた。それに比べて私たちは…と悲しくなるものだ。


「おまたせ！A、善逸！」
「ぶーー」
「ぶーー」

炭治郎は両手いっぱいにプレゼントを持って私たちのところへ来た。


「どうしたんだ？そんなしかめつらして。」
「あれ？第二ボタン残ってるじゃん！」
「…？当たり前だ！俺はAにしかあげない予定だったし…」
「え！？惚れちゃうー！！」
「なっ！？俺もあげたんですけど！？」


結局私のブレザーのボタンは残ったままだけど、2人のボタンはずっとポッケの中にしまってある。


「竃門先輩が卒業なんて…もう学校行く意味なくなっちゃった…」
「はぁああ竃門先輩留年してくれないかなぁ……」



そして炭治郎のことが好きな後輩たちは竃門炭治郎ロスというものを起こして行った。我が幼馴染みながら密かに恐怖感を覚えた。



「ねえ、家に第二ボタンたくさん届いた。」
「はぁぁぁ！！？？」


そして後日、郵送で私の元にプレゼントが届き、善逸はそれをみて発狂するのだった。




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