愛すべき人はツンデレでして。(ybhk)

。 ページ44

．


薮「お前さ、光に何か言った？」


ある日の仕事中。
楽屋に先に着いた俺と薮は、それぞれ椅子に腰かける。


「いや、別に…？」


言ってないと言ったら、嘘になるけど、
特別へんな事を言ったわけじゃないはずだ。



「なんで、そー思う？」


薮「ん、なんとなく？勘ってやつ。」



やっぱり、薮の隣は光で、光の隣は薮だ。
コイツらには誰にも分からない繋がりがある気がする。



「そ…。なんか進展あった？」


薮「だから言ってんじゃんかよ。
光の様子が変だから『何か光に言ったか？』って。」



変って言っても、口数が減ったとか
メンバーに近づくことが減ったくらいだ。

それくらいで、俺が攻められるとは…。
光も愛されてるんだな。



「別に、様子が変って程でもなくない？」


妙に喉が乾いて、楽屋の冷蔵庫から水を取り出す。
…と同時に薮が口を開く。



薮「いや、さ…？口数が減ったとか、
甘えて来なくなったとかなら良いんだよ？」



ときどき、俺も薮と繋がってるところは
あるんじゃないかなって思う。

考え方とか、行動とか。


でも、そんなに光の様子が変わったとは思えない。


薮「最初は眠いのかなとか思ってたんだけど、
ここ最近ずっと、体調が悪そうなんだよ。」



それは気づかなかった。

薮に心配される程お前は愛されてるんだぞ、って
光に言ってやりたかったけど
体調が悪いともなると、それどころじゃない。

。→←。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す