愛すべき人はツンデレでして。(ybhk)

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お母さんがいないって、どういうこと？

大体お母さんは近くにいるはずだから、
いない訳がない。

でも、どれだけ見回しても
お母さんらしき人は見つからず、
近くに通りかかったスタッフに訪ねた。


「あの、この子のお母さん知りません？」


「えっ、さっき、そこに居たんだけどな…。
あ、そう言えば、車に忘れ物したから取りに行く
って言ってたな。」


「え、この子置いて？」


「あ、いや。
メンバーが見てくれてるだろうから、
この子１人にしてても少し位なら大丈夫だと思います。
って俺が言ったんだよ。」


あぁ、なるほどね…。
それで、いないわけだ。



「それ、いつの話ですか？」


「ついさっきだよ。
戻ってくるのは、速くてもあと5分位かな。」


あと５分…。
小さい子にとって、親のいない５分はかなり長い。


遊ぼう？と誘っても泣き止まないし、
挙げ句の果てには、
お母さんを探しにスタジオを出ていこうとするし。



「ね、ほら。お兄ちゃんと待とう？」


「…、うぅっ、…ｸﾞｽ、ママぁ…、っ」



もうどうしていいか分からないから、
とりあえず抱っこして、俺はイスに座る。


泣き止むまでトントンと背中を叩いてやると、
いつの間にか静かになり、
名前を呼んでも反応しなくなった。



「…、やぶ、この子寝てる？」




薮「うん、ぐっすり。」

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