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第18話 妹の訪問 ページ19

「桃井。」



部活中での練習試合の記録をノートに書いていると、休憩中の赤司君に声をかけられる。



声の方に顔を向けると、手招きをしていた。



来客かな?

そう思い、記録を別のマネージャーに託し、赤司君の元へ向かう。



「どうしたの?」

「桃井の妹さんが来ているよ。」



え、Aが……?



信じられない、帰ったと思っていたのに。
何かあったのかな、虐められた?それとももっと酷いことを?



いいや、もしかしたらいい事があったのかもしれない。



何にしても、Aが来てくれたのには驚いたし、嬉しかった。



ドアを勢いよく開け、A!と叫ぶ。



私と同じ桃色の髪を揺らし、美しい顔が見えた。
間違いない、Aだ。



「どうしたの、Aが体育館に来るなんて珍しいね。」

「あぁ、うん。実はね……さつきに話したい事があって。」



話したい事?なんだろう、それ。



私との会話を避け気味なのに、話したいなんて言ってくれたことに感極まる。



「こんな所で立ち話をするより、中に入らないか?」



何を話したいのか聞こうとすると、赤司君に遮られる。



いい所なのに!と思う反面、赤司君の言っていることは間違っていない。



今日は何だかいつもより寒いし、Aが風邪をひいてしまっては大変だ。

中に入るのがベストの選択だろう。



「じゃあ、中で話そっか。」

「でも、迷惑では?すぐに終わる話ですし、外で大丈夫です。」

「いいや、中に入れ。
今日はいつもに比べて気温がだいぶ下がっている。風邪をひいたら困るのはそっちだぞ?」



さすが赤司君。同い年とは思えないほどのオーラでAを体育館の中に入れる。



Aも返す言葉が見つからないらしく、不本意そうな顔をして中に入っていった。



一度、Aをバスケ部に誘った事がある。
一緒にやれば楽しいし、頭の回転が早いAは、作戦を練るのが得意だと思ったから。



しかし、頑なに断られ、断念するしかなかった。



今日もきっかけに、Aに興味を持ってもらおう!
そんでもって、みんなと友達になれたらいいな。



Aはすごいんだぞって、Aは優しくていい子なんだぞって、教えてやりたい。



そう考えるとワクワクして来てしまい、ニヤけた顔を抑えながら、私も体育館に入っていった。

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七瀬(プロフ) - Flower*さん» ありがとうございます!お気に入り作者も?!頭が上がりません……!ありがとうございます、頑張ります! (2017年10月27日 22時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - とても面白いです!なんとも語彙力のない表現ですが、文がとても綺麗です!お気に入り作者にも登録させていただきました。更新も受験も両方頑張ってください! (2017年10月27日 22時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - ミクロコスモスさん» ありがとうございます!私だってそんに文才ないですよ(汗)でも、ありがとうございます、とても励みになります! (2017年10月22日 13時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
ミクロコスモス - この作品、すごく面白いです!!ファンになってしまいました!そんな文才が欲しいです……!えと、更新頑張ってください、応援しています! (2017年10月22日 11時) (レス) id: 917bdd96ab (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 分かりました、アドバイスありがとうございます! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 21d4fb13d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七瀬 | 作者ホームページ:ありませんわ  
作成日時:2017年9月23日 20時

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