第12話 姉の気持ち ページ13
「なんか、桃っちと全然違うっスね。」
「大人しくて、礼儀がある奴なのだよ。」
Aが用事があると言って去った後、きーちゃんやミドリン、みんながAの話をする。
私と容姿は似てるけど、性格が全然違う。
似てもないし、むしろ真反対……。
「よくオレたちのことを話すのか?」
「うん。楽しいからついね。」
赤司君に家でのことを聞かれ、素直に答える。
みんなといる時間は楽しいし、親やAにも聞いて欲しいから。
それに、私には友達がいるから大丈夫、なんてことを親に伝えたかったり。
私がみんなの話をするとこでAが興味を持ち、みんなと友達になれるかもしれない。
そう思って、ずっと話してた。
全員の名前は覚えてるし、礼儀もちゃんとしてる。Aは私の自慢の妹。
「Aは私と違って、ちゃんとしてるからさ。」
「さっちんもちゃんとしてると思うよ?」
「ありがとね。」
しっかりなんてしてないよ。私は、部内で言われたことをこなしているだけ。
自分から何かやるのは、あまりないかも。
でもAは違う。
家では、誰も頼んでないのに家事をやるし、学校でも先生の手伝いを率先してやってくれると先生から褒められたと親が言っていた。
Aは、自分の意思をしっかり持って、自分から行動できる人だ。
そんなところを尊敬してるし、双子なのになんて思ったりもする。
「不思議なんですが、何故桃井さんは敬語だったんですか?」
「Aは、中学上がる頃からずっとそうだよ。
家族以外には、敬語を使うの。」
Aは、小学校のあのことがきっかけで人と接することを避けている。
それは、私も気づいていた。
気づいていて、何も出来なかった。
Aを傷つけた人と仲良くしてしまったし、あの頃はAを助けようとすらしなかった。
優越感に、浸っていたから。
そんな自分がバカだときづいたのは、中学に上がってから。
遅いのはわかってる、どうも出来ないのもわかってる。
でも、Aを救いたいんだ。
人と関わることの楽しさを知って欲しい。
裏切る人ばかりじゃないことを知って欲しい。
だからまずは、私の近くにいる人から仲良くさせようと思った。
私のせいでもあるし、Aの本当の姿を見られずに終わってしまうのは、嫌だから。
そんな姉でごめんね、A。
「部活いこっか。」
そう言って、また歩き出す。
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七瀬(プロフ) - Flower*さん» ありがとうございます!お気に入り作者も?!頭が上がりません……!ありがとうございます、頑張ります! (2017年10月27日 22時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - とても面白いです!なんとも語彙力のない表現ですが、文がとても綺麗です!お気に入り作者にも登録させていただきました。更新も受験も両方頑張ってください! (2017年10月27日 22時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - ミクロコスモスさん» ありがとうございます!私だってそんに文才ないですよ(汗)でも、ありがとうございます、とても励みになります! (2017年10月22日 13時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
ミクロコスモス - この作品、すごく面白いです!!ファンになってしまいました!そんな文才が欲しいです……!えと、更新頑張ってください、応援しています! (2017年10月22日 11時) (レス) id: 917bdd96ab (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 分かりました、アドバイスありがとうございます! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 21d4fb13d4 (このIDを非表示/違反報告)
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