灰色の虹が微笑んだら ページ8
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リズムリンクは、アイドルはもちろんバンドグループやシンガーソングライターなどアーティストの所属が多くライブの活動が盛んな事務所である。
有名なアイドルでは『UNDEAD』や『紅月』
そして私がマネージャーをさせて頂いている、紫之創くんが所属する『Ra*bits』
今日はリズリンのその有名アイドルグループを集めた少し大きめのライブがあって、マネージャーである私も早朝からばたばたと走り回っていた。昨日の今日で、少し体調の異変は感じてたけどライブ終わった後の片付けまでは平気に動き回っていたんだけど。
「はあ、まさか倒れるなんて思ってなかった」
しかもアイドルに楽屋まで運ばれた挙句、
布団の上でぐうすか1時間も寝てたなんて。
どんよりと沈んだ空気を纏いながら、事務所の廊下をドボドボあるく。反省文を命じられ、いま提出してきたばかりだった。
"いかないで、って。
苦しそうに寝言で言っていました"
創くんに言われた言葉を思い出して、肩を落とす。どんな夢かは覚えてないけど、できれば思い出したくない内容だった気がする。
昨夜レストランから飛び出して確かにリョータローの家に行こうとした。
でも。
私は言って何て言うつもりなんだろう?
どんな顔すればいいんだろう?
リョータローに"じゃあ別れよう"と、
言われたら。
足が止まる。くらくらと眩暈がしてその場にしゃがみ込んだ。勇気が出なくて、結局家の近くまで来たのに引き返して自分の家に帰った。その夜は一睡もできなかった、できるわけがなかった。
「1か月前の誕生日はあんなに楽しかったのに」
リョータローが家に遊びに来てくれて。
ふわふわのショートケーキを一緒に食べて。
それからピンクサファイアのネックレスを、
「……あれ、ネックレスどこいったっけ?」
事務所の正面玄関まで差し掛かったあたりでふと足を止める。すれ違った知り合いの社員に「大丈夫?」とかけられた声は、耳からすり抜けた。
「もしかして、失くした?」
嘘でしょ、と絶望に暮れる。
だってあれは唯一彼が私にくれた宝物なのに。うそだ、さいあく。
「こんな所で立ち止まってたら邪魔だよ」
「あっ、すみません今どけます──え?」
ふわりと何処かで嗅いだ香水の匂い。
顔をあげれば、つい昨日知った人がいて。
「───朔間さん、なんで」
いるんですか、と続けようとした言葉は掠れて声にならなかった。
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←錆び付いたピンクサファイア
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魚図(ゲイツ)(プロフ) - (コメ返し遅くなったので纏めて失礼します!!!)コメント大変嬉しいです、ありがとうございます!皆様の言葉を原動力に更新頑張ります! (2020年2月11日 22時) (レス) id: f250b07018 (このIDを非表示/違反報告)
99 - とても面白かったです!続きが気になります( ^ω^ ) (2020年2月11日 22時) (レス) id: d19f0180cc (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - すごく面白かったです。更新楽しみに待ってます! 凜月君可愛すぎた (2019年11月3日 6時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - こうゆう浮気も好きです!更新頑張ってくだざい! (2019年10月27日 14時) (レス) id: cda48c16bf (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - うっちゅー☆しょっぱなから見事にハマりました(笑)更新楽しみにしてます! (2019年10月25日 23時) (レス) id: ff2cf29d51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚図/元ゲイツ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=1b00d6d4f017764a9af2cf0a2704329f...
作成日時:2019年10月23日 0時