吸血鬼と女神さん。 ページ19
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「どうしたんじゃ、女神さま。こんな時間に訪ねてきて」
定時も、生徒の最終下校時刻もとっくに過ぎ、
満月だけが静かに暗闇を照らす、そんな時間。
〆切ギリギリの大事な書類を保健室に忘れて、
戻ってきたのだけど、本来閉まってる筈の扉に、鍵が掛けられておらず。
一瞬、恐怖心に駆られたけど、
聴き覚えのある鼻唄がきこえて一安心。
電気をパチリと灯した先には、
ベッドの上で転がる朔間零くんが。
「忘れ物取りに来ただけ。こんな時間だけど、零くんはユニットの合宿とか？」
「うむ。合宿なんてほとんどしないんじゃが、アドニス君がやってみたいと言い出してのぅ。珍しく薫くんも参加すると言ったもんだから、やらないわけには、いかなくなったんじゃ」
清潔な冬の夜の空気に白い息を吐きながら、
彼は、くつくつと面白そうに喉を鳴らした。
猫みたいな零くんの声を、背中で聞きながら、
目当ての書類をファイルしてバックに詰める。
「今は三人ともシャワーを浴びに行ってるから、戻ってくるまで我輩とお喋りしないかの？」
「ふふ、いーよ。じゃあ、合宿でのお話聞かせて？」
零くんの寝そべるベッドに、
無防備にも腰掛けてしまったのが
間違いだったかもしれない。
襟元に綺麗な爪が伸びてきたかと思ったら、
目の前に零くんの色っぽい顔がアップで映って。
「ちょ、零くん？何して」
「我輩の話より、女神さまの声を聴かせて欲しいのう♪」
「あ、こら！服引っ張んないの！中、下着だけなんだから止めなさい！」
「くくく、顔が赤くなっとるぞ。……かわいい」
「！？」
耳元をイイ声でリップサービスした挙句、
肩に流れた私の髪を一房摘み、
それに潤った唇を、ちゅ、と口付けて。
何なの、大人をおちょくってるのか。
そう言いつつも、
不覚にも乙女みたいに高鳴る胸と、
ぼうぼうと燃えるように熱い顔は、
私に余裕がない事をありありと物語っている。
「我輩。女神さまともっと遊びたいんじゃが、いいかのう？」
「ダメに決まってるだろうが！変態ジジイ！」
「痛い！なにするんじゃ、わんこ！」
「見損なったぜ、失望させんなえろジジイ！」
いつの間にか帰ってきた晃牙くんの手刀を、
思いっ切り頭に食らった零くん。
何はともあれ、助かった。色々な意味で。
ーーーーー
「なんで朔間さん倒れてるの？」
「……わんこは怖いのう、薫くん」
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ゲイツ(プロフ) - アイスてぃー。さん» おかげさまで完結できました！こちらこそ楽しんで貰えて良かったです。コメントありがとうございます！ (2018年12月21日 22時) (
レス) id: f250b07018 (このIDを非表示/違反報告)
アイスてぃー。(プロフ) - 完結おめでとうございます！楽しく見させていただきました！ (2018年12月21日 0時) (レス) id: fde611bcb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゲイツ(プロフ) - やまなみさん» 同担さん嬉しい！千秋沼は深いです、これからもドンドン推していきましょう！コメントありがとうございます！ (2018年11月20日 22時) (レス) id: f250b07018 (このIDを非表示/違反報告)
やまなみ(プロフ) - もりちあ良いですよね！！！(唐突)以前まではもりちあは推しじゃなかったんですけど、気づいたら最推しに……もりちあ恐ろしや……(ｶﾞｸﾌﾞﾙ) (2018年11月20日 22時) (レス) id: 95be3cdce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゲイツ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=1b00d6d4f017764a9af2cf0a2704329f...
作成日時：2018年11月18日 21時
