生きたい彼女と死にたい彼。 (ページ36)

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ありがとうございますと言って受け取ってから

作り込まれた手作りのメニュー表を開いた。

指を添わせて眺めていくと、一番最後の欄に

"宮舘のおまかせパスタ"

と書いてあった。

宮舘さん…だから舘さんと舘様なのか。

確かにレディーファーストなんて紳士だもんね……。

でもおまかせって……？

私の隣の椅子に座った深澤さんが、

不思議そうにした私の表情を読み取ってか、

「舘さんのおまかせパスタまっじで美味いよ。
頼んだ人に合わせて作ってくれんの」

とアドバイスをくれた。

『そうなんですか、？……私これで！』

頼んだ人に合わせてくれるなんて聞いたら

私の好奇心が掻き立てられる。

そのまま逆サイドの隣に座っていた阿部くんに

メニューを回す。

ふたりで一緒にメニューを覗き込みながら

女子のようにキャッキャと騒いでいる。

「Aちゃんって言ったっけ、？」

『あ、はい、そうです』

「Aちゃんも秘密交換の口？」

『え、っとそう、ですね』

深澤さんに突然コソコソ話しかけられた。

宮舘さんはメニューを指差しながら何か話していて、

ふたりはキャッキャしながら3人で戯れていた。

まるで保育園。

「そっかあ、じゃあ阿部ちゃんに選ばれた子か〜」

と言って伸びをする。