生きたい彼女と死にたい彼。 (ページ20)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:53,682 hit

朝ページ20

-

夢を見た。

イツメン3人が先生と何やら話していた。

先生は目頭をギュッと押しながら首を横に降っている。

3人とも見たことも無いような表情を浮かべていた。

ふっ、と意識が移って、

阿部くんが険しい顔でスマホを見つめていて、

佐久間くんは阿部くんの肩を揺すりながら何かを言っていた。

ぽつりぽつりと何かを話し始めた阿部くんの話を

じっと聞いて、急に顔が強張っていた。

『ん…』

眩しい朝日に照らされて目が覚めた。

いつの間にか無くなっていた点滴の管といつの間にか来ていた姉。

「あっ、！…おはようA、」

『おはよう…なんでお姉がいるの？』

「3時くらいまでお母さんいたんだけど、
一旦帰って休みなって言ったから代わりにね」

『……ありがとう』

姉が看護師さんを呼んできてくれて、

あの症状は薬によるものではないけど

必要以上の服用は避けるようにと説明され、

状態が安定した事を確認された上で帰っていいことになった。

気分が落ち込んでいたから信用しきれなかったけど、

誰にも迷惑かけたくなくて口を噤んだ。

母は夜中に父が迎えに来て帰宅したようで、

姉の車に乗って帰った。

気を遣ってくれたのか、昨日母と帰ろうとした道とは別の道を。

週末になってしまったからか、

ユニフォーム等を着た自転車で学校へ向かう

運動部の人達と何度かすれ違った。