偽りの兄妹【ハリー・ポッター と賢者の石】

38話 ページ41

貴)悪魔の罠は、太陽の光が苦手なの。
｢ルーモス・ソーレム｣！

ロン)うわぁぁ！


私が手をかざし呪文を唱えると、植物はだらりと力が抜けたようになり、ロンが落ちてきた。


ハー)ロン、大丈夫？

ロン)うん、大丈夫だよ。ヴィオラ、ありがとう。

貴)よかった。もしロンに何かあったら大変だもの。


ハーマイオニーが、ドアの鍵を開けようとするが、なぜかあかない。


貴)見て、何千もの鍵が飛んでるわ。

ハリ)多分、あの中に本物の鍵があるはずだよ。……多分、古い鍵だ。

ロン)あれだ！あの、錆びてて、羽が折れてるやつ！


そうロンが言うと、ハリーは近くに会った箒に跨り、羽が折れている鍵を捕まえた。


ロン)急げ！

ハー)頑張って、ハリー！早く！



ハリーは素早く鍵をさし、ドアを開けた。
そして、倒れ込むように部屋に入り、ドアをしめた。




ハー)何？この部屋。

ロン)うわぁ、多分ここ、チェスの盤の上だ。


論の言うとおり、至る所にチェスの駒がある。


貴)あそこ、扉があるわ。


扉へ向かい歩き出すと、ナイトが剣をクロスさせ、扉への道を塞いだ。


ハー)どうしたらいいの？

ロン)チェスの試合をして向こう側に行くしかないだろ？
よしハ。リー、君はビショップの位置。
ハーマイオニーはクイーン側のルーク、ヴィオラはクィイーン。僕はナイトだ。

貴)これからどうするの？

ロン)先手は相手の白の駒。次は僕らの番だ。

ハー)もしかして、本物の魔法使いのチェスをここでするの？

ロン)Dｰ5へ動け！そうだよ、ハーマイオニー。このチェスは丸っきり魔法使いのチェスと同じだ。


ロンが駒を動かし、試合を進めていく。

すると、ハリーが何かに気づいたように声を上げる。


ハリ)ちょっと待って。

ロン)ハリー、わかった？この次の一手で僕はクイーンにとられる。そうすれば君がチェックメイトだ！

ハリ)ロン、駄目だ！やめろ！


私とハーマイオニーは話が分からず、首をかしげていた。
それに我慢ならなかったのか、ハーマイオニーが｢どういうこと？｣、と質問する。


ハリ)ロンが犠牲になるつもりだ！

ハー)駄目よ！ロン！まだほかにも手があるはずよ！

貴)今までとられた駒を見た？貴方は生身の人間よ？あんな攻撃当たったら、……考えたくないけど、死んでしまう可能性もあるわ。

ロン)スネイプに石をとられてもいいの？僕でも、ハーマイオニーでも、ヴィオラでもない。進むのはハリー、君だよ！

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