偽りの兄妹【ハリー・ポッター と賢者の石】

34話 ページ37

少し森を進むと、木の幹に銀色の液体が付いているのに気付いた。


貴)ねぇ、ハグリッド。それは何？


それを指さし、ハグリッドに問いかける。


ハグ)探してたものだ。見ろ、ユニコーンの血の跡だ。この間も一頭死 んどった。
こいつはだいぶ酷い怪我をしているらしい。
いいか、俺たちでこいつを見つけるんだ。
ロンとハーマイオニーは俺に付いてこい。


ロン)わかった……。


ハグ)ハリーはマルフォイとヴィオラと一緒に行け。

ドラ)ＯＫ！じゃあファングを貸して！

ハグ)別にいいが、ファングは臆病だぞ。


ハグリッドはなぜこのメンバーにしたのかしら。ハーマイオニーとロンは喧嘩してばっかだし、ドラコはハリーを嫌ってるみたいだし。
……大丈夫なのかしら？



………………

ドラ)父上が聞いたらなんていうか。こんなの召使いの仕事だ。


ドラコが森に入って早々に愚痴を漏らす。


ハリ)マルフォイ、もしかして怖い？

ドラ)怖い？僕が？今の聞いたか、パーシバル

貴)……！見て！ユニコーンがいたわ！


そこには、木に寄りかかっている、傷ついたユニコーンがいた。
いや、ユニコーンと何者かがいた。


ハリ)ユニコーンの血を飲んでる……！


ハリーと私は倒れた木に隠れた。
だが、ドラコは違った。


ドラ)う、うわぁぁぁぁ！助けてー！

貴)ド、ドラコ！？

ハリ)……っ！傷が！


ドラコは、叫びながらファングと一緒に逃げてしまった。

ドラコの大声で、血を飲んでいた者が私たちに近づいてくる。


ハリ)……っ、ヴィオラ！


ハリーが私を庇うようにして後ずさりする。

そいつが私たちに魔法をかけようとしたその時、何者かに向かい、後から何かが突進していった。

それは、上半身は人間で、下半身は馬の姿をしたケンタウロスだった。


フィレ)ハリーポッター！ヴィオラパーシバル！森からすぐ出なさい。森のものは君たちを知っている。今この森は君たちにとって危険だ。

ハリ)さっき僕たちを襲ったのは何だったの？

フィレ)恐ろしい怪物だ。ユニコーンの血を飲めば死にかけた命も蘇らすことが出来る。

だが、代償は大きい。純粋な生き物を殺 し、その血が唇についた瞬間呪われる。生きながらの死だ。

ハリ)そうまでして、誰が生きたいの？


ヴォルデモート……。ハリーを殺そうとしたのも辻褄があうわ。


フィレ)パーシバルさんは答えがわかったようだね。……今、学校には何が隠されていると思う？


貴)賢者の石……。

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