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暫くして少し落ち着きを取り戻した私は慣れない手つきで電話をかけた。

そいえばMEZZO"のマネージャーも始めたんだっけ、
出てくれるかな、なんて悩みはすぐに消えた。

「どうしたの?」

3コールで出た万さんはやはり仕事ができる人だ。

『ねぇ、万さん。
ちょっとだけヴァイオリン、おやすみしてもいい?』

「…え?
ま、まあAちゃんがいいなら…」

『うん、私は大丈夫』

「わかった、無理はしないでね」

『うん、じゃあね』

ツーツー、という機械音が部屋に鳴り響く
本当にこれでよかったのだろうか。

でも、ヴァイオリンがない今はこの選択肢しかない。

そう自分に言い聞かせた。



あれから何時間経ったのだろうか。
いや、日が落ちてからまた昇って、
今はまた日が落ち始めているから1日くらいだろうか。

コンコン、と扉をたたく音が聞こえ、現実に連れ戻された。

まだ3階上がっていいなんて一言も言ってないんだけどな、
なんて考えながら扉を開くと、
そこには意外な2人が立っていた。

「すみません、こちらは立ち入り禁止が解かれていないのは承知の上です。
それなのに、四葉さんが…」

「いおりんも気になってたんだから、
俺だけのせいにすんなよな」

「でもここまで来たのは…」

『茶番なら下でやって』

ずっとゴネゴネ話しそうな勢いだったので
つい口をはさんでしまった。

私の言葉に二人は気まずそうに下を向いた。

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作者名:ReePhantom | 作成日時:2024年1月10日 18時

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