私は野坂悠馬の姉２【アレスの天秤】 (ページ23)

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73話ページ23

夢主side

道「明日奈さんっ」

明日奈は道成の方に振り返った

道「あの…俺はキャプテンに向いているでしょうか…」

道成は下を俯きながら話す

『…それを俺に聞いて、どうしたい』

道「…」

道成は下を向いたまま拳を強く握った

『確かにお前は人を引っ張るような器ではない。だがお前にしかできない事だってあるんじゃないか？』

道「！俺にしか…できない事？それは一体…あ！」

道成が続きを言いそうになった瞬間明日奈は止めていた足を再び動かし始めた

『あとは自分で考えろ。その目でよく見ろ。じゃあな』

明日奈はそのまま帰って行った

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〈翌日〉

翌日も練習を始めるが、みんなの心はさらにバラバラになる一方だった

明日奈は頑なに動かずベンチで様子を見ているだけだ

その時グラウンドの横を鬼道が通りかかり、それに気づいた明日人が駆け寄っていく

稲「鬼道さん！どうしたんですか？」

鬼「別に大したことじゃない」

稲「あのっ灰崎はどうしてますか？」

鬼「心配するな、あいつの事は俺にに任せておけ。それと明日奈を呼んできてくれるか？」

稲「あ、わかりましt((『有人呼んだか？』うわぁ！」

『すまないな明日人。大丈夫か？』

稲「は、はい…」

鬼「(地獄耳は変わりないんだな…)」

『有人話とはなんだ』

鬼「灰崎の事なんだが…稲森少し外してくれるか？」

稲「す、すいません！」

『………で、灰崎は今どんな感じなんだ？』

鬼「あいつは恐らく稲森達雷門の試合を見て心を動かされ始めている頃だ。あとは時間の問題だと思うが…」

『そうなのか』

鬼「そういうお前こそ大丈夫なのか？次の相手は円堂だろう」

『ここで負ければこのチームの実力はその程度だったって事だ。まああいつらなら勝ち進むだろうがな』

鬼「そうか…じゃあ俺はもう行くぞ」

『ああ。灰崎のこと頼んだぞ』

鬼「分かっている」

そう言って鬼道は帰って行った

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〈試合当日〉

スタジアムには満員の観客たち。皆円堂の名前を叫んでいる

稲「明日奈さんこの試合の作戦は…」

明日奈は明日人の質問には答えようとせずベンチに座って黙っているだけ

道「明日人もう行くぞ」

稲「あ、はい…」

みんなは作戦の指示を受けないままフィールドに向かった

そして試合が始まった