30話 エアロスミス�� ページ30
side ナランチャ
Aとオレに人を近づけてはならない。そう思ってエアロスミスを旋回させているが、それも長く続ける訳にはいかない。
人混みから少し離れたくらいで、表に出れば沢山人の流れが見える。
人混みに紛れ込んでいる。でなければ二回もAに触れられない。
｢クソ、どこだ…どこにいる…？そう遠くには行ってないはずなんだ｣
エアロスミスが傍にいる以上、敵が懐に潜り込んでくる可能性は低い。しかし撃破も同時にすることが出来ないのだ。
｢敵のスタンド射程距離…スタンド自体も見ていない…｣
すべき行動は決まっている。いつまでもエアロスミスを旋回させるべきではない。
｢『エアロスミス』、あの人混みを『撃て』！｣
エアロスミスをオレたちの傍から放ち、人混みへと突っ込ませる。
エアロスミスは基本、大雑把な狙撃しか出来ない。機関銃でぶっぱなせば間違いなく一般人まで犠牲となってしまう。
｢別に人に当てなくてもいい…敵にも、だ｣
エアロスミスは人々の頭上を飛び回り、上空に機関銃で弾丸を打ち上げる。
誰かに当てる必要もない。しかしできる限りスレスレの頭上を通らせる。
｢もしよォ〜頭上で機関銃ぶっぱなされてもしゃがみこまねー肝の据わったやつでもよォ〜｣
エアロスミスの高度はかなり低い。それに銃声が乗れば、しゃがみこんでも無理はない。
｢いくら外面は取り繕えてもよォ、心拍数までは隠せねーだろ？｣
エアロスミスは既に標的を捉えている。周りを巻き込み兼ねない為に撃たないだけだ。
｢動揺を目に見えねーよーにお前は落ち着こうとするよなぁ？｣
そのスタンド使いにはこの轟くような機関銃の音とエンジン音が届いているはずなのだ。
そしてオレの声も。
｢そーゆーとき人ってどーなると思う？｣
後ろのAは何も見えないからか、耳をすませているのが分かる。声すらあげない。
｢深呼吸だよ！呼吸の荒くなったお前は深呼吸をするッ！そして今！その変化が見られたのはお前だッ！｣
人混みが途切れた今、俺はエアロスミスをそいつに向かわせた。
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ただのティッツァーノスクアーロ戦じゃねーかと思うような探し方ですけどナランチャの場合呼吸をつてにするしかないっていうか…(言い訳)
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作者名：invisible Comet | 作成日時：2019年4月8日 16時
