【完結】[ﾂｲｽﾃ]人魚姫は魔女に恋焦がれⅡ-Azul- (ページ27)

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その後姉様方と別れ、アズール先輩の傷を
キチンと癒す為に彼の私室の水槽へと帰ってきた

アズール｢A｣

私も入るからと特別製に作られた大きな蛸壺の中で
本来の姿に戻った彼が声をかけてくる
泳いで身を寄せれば腰を抱かれ
彼の足の1本に座る形になった

『なんですか？アズール先輩』

アズール｢バタついてしまって、渡しそびれましたが
これを｣

そう差し出されたのは店先で目を惹かれた
ピアスと似たデザインをしたペンダント

『わぁ…！あれ？でも……』

私が見た時はこんなデザインのペンダントは無かった
そう考えていたのに気づいたのかふふと笑う先輩

アズール｢あのピアスの石を
使って貰ってオーダーメイドしました。
常時貴女につけて欲しいので｣

『っ////』

アズール｢気に入りませんか？｣

『いいえ、とっても嬉しいです！
ありがとうございますアズール先輩！
付けてもらっても良いですか？』

そうペンダントを渡して背中を向けると
もちろんと言う先輩の声と共に
気配が近づいた
首に回ったペンダントヘッドが光に反射して
キラキラと輝いているのに見とれていると
チクリと首の後ろに痛みを感じた

『んっ……？先輩何かしました？』

アズール｢あぁ、すみません。
留め金が少し髪に絡んでしまって
解けましたがまだ痛みますか？｣

『あぁ、大丈夫ですよ！』

似合ってますかと少し身を離し
彼の前でクルリと泳いでみせると
機嫌のよさそうな笑顔でとてもと言ってくれる先輩

『宝物にします！本当にありがとうアズールくん！』

嬉しさのあまり私室とはいえ寮内で
素のまま話してしまう私
彼はそれを咎めるでもなく
はいとまた優しく微笑んでキスを落とした
____
僕の腕の中で尚もキャッキャと嬉しそうに
ペンダントヘッドに触れはしゃぐ彼女
水流でフワフワと浮かぶ彼女の髪の隙間から
覗いた色白の首に赤く残るひとつの証
少しでも虫除けは多いに越したことがない
まだまだ足りないと感じながらも
今は喜ぶ彼女を見れているから良しとしようと思った

アズール｢そろそろお腹が空きましたね
食堂へ行きましょう｣

そう提案するとはーいと素直に水面に向かう彼女
ついて行くように向かい水槽の縁に着く頃には
彼女のヒレは色白い2本の足へと戻る最中だった
ぽたぽたと髪から雫を垂らし
生まれたままの姿でいる彼女にタオルを渡す

アズール｢女性がいつまでもはしたないですよ｣

『あ、ごめんなさい//』