そういえば棺桶に冷房付いてるんだっけ ページ42
Side A
「失礼しま〜す」
「あっ、A先輩！」
「久しぶり〜！」
「いや〜ほんと久しぶりだね」
しばらく顔を出してないなと考えて、せっかくの夏休みだしと私は軽音部の部室に足を運んだ。ひなたもゆうたも相変わらずの人懐っこさで迎えてくれる。後輩がかわいい。
「零さんは？」
「いつも通り寝てますよ」
ほら、と棺桶を指される。確かになんとなく気配を感じるので零さんは中にいるようだ。このクソ暑い中よくやるな。起きてこないってことは、私が来たことには気づいていないらしい。
「じゃあ、鬼の居ぬ間になんとやら…ってことで」
棺桶の側に立てかけてあるケースを開けて、バイオリンを取り出した。軽音部のではない、私のバイオリンだ。
しばらく弾いていると、視界の端で棺桶が少しだけ動いたので手を止める。さすがに起きたのかな。
「やっぱり上手だよね、A先輩」
「うん、すごく綺麗な音…」
「お、まじ？ありがと〜」
ひなたとゆうたがパチパチと手を叩いて褒めてくれる。普通に照れるぞ。
「先輩ってプロデュース科ですけど、将来はプロデューサー目指してるんですか？」
「うーん…別にそういうわけでもないんだよね」
「え〜？じゃあ音楽家？」
それにも、うーん、と頭を悩ませる。
「音楽家か…成功するのはほんのひと握りだからなぁ」
そんなことを言ってる間に、にゅっと伸びてきた白い手がバイオリンを持つ私の手に添えられる。
いやめっちゃ白いじゃん女子か？？
「Aには音楽の才能があると思うぞい」
「…おはよう、零さん」
「おはよ〜ございます、朔間先輩」
「うむ、おはよう」
すぐ側にある美形を眺めながら、近くない？と言えば、そうかの〜？我輩おじいちゃんじゃから距離感わからんの〜と惚けられた。
おじいちゃん何がしたいの？？
「特にバイオリンにおいては文句のつけ所が無いわい」
無理やり話を戻されてため息をつく。この人に褒められるなんて、珍しいこともあるものだ。なんか企んでないよな？？
「おぬしのそれは、紛うことなき『才能』じゃよ」
……ものすごく真剣に話してるとこ悪いけど、まず離れてほしい。近いわ。
零さんの笑い方って結構個性的だよな…→←ちなみにこの間もデコピンの痛みは消えなかった
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内海祝孤(プロフ) - 面白いです！一気に読んじゃいました笑笑 続編のパスワード教えて欲しいです (2021年9月20日 9時) (
レス) id: bdacf1d86f (このIDを非表示/違反報告)
絵描き隊(描かないけど下手やから) - す、すごく言いづらいです…私、ジュンくんと誕生日一緒です！ (2020年8月19日 23時) (レス) id: d0f29aa6bd (このIDを非表示/違反報告)
紅 - いつも、楽しく読んでます！あるとちゃんに質問です。英智くんと敬人くん以外で、一番仲のいい人は？ (2020年2月16日 5時) (レス) id: f780153d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴菜+ | 作成日時：2019年4月1日 1時
