能天気 ページ14
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開けたドアの先、電気がついててほっとした。
けどリビング行ったけどいない。どこにもいない。
マスク捨てながら廊下に出る。
洗面所の電気ついてて
ああここにいたのかよ
風呂場のドアを開けた。
A、きゃあーなんてバカみたいな声出して
お湯の中に頭まで潜るくらい、勢いよく沈んでる。
その光景が面白すぎて爆笑するオレ。
「え！玲於くん！？」
「待って無理、腹いてぇしぬ。」
「び、びっくりした…やめてよ！」
「インターホン何回も鳴らしたし。」
「聞こえなかったよ。もー…鼻に入った痛い…」
「ふは、バカだこいつ。」
「や…ちょっと、ねえ閉めてよドア。」
「俺も入っていい？」
「だめ！」
…ああ、不思議だなあ
さっきまであんなに考え込んでいたのに
こいつの顔見たら、どうでもよく思えてくる。
全然どうでもよくないことなのに。
一緒にいられるならなんでもいっか、って
ちょっと病んだ恋愛初心者みたいなこと。
「早くあがってよ。暇。」
「いま浸かったばっかり…」
「ハイじゅーう、きゅーう、」
「もおやめて。」
「出ました、Aちゃん伝家の宝刀ぶりっ子。」
「寒いからドア閉めて！」
怒られちった。
はいはいってドア閉めて、リビングに向かう。
A来るまでアニメ見よって、iPad取り出した。
イヤホンしようと探していると
ラグの上、放置されてるAのスマホが目に留まって。
…や、ダメだろ
勝手に見んのははすがに
てか、もうスマホ見るとかそういうのやめよって思ったし。
ダメだダメだ耐えろ俺
ぐっと堪えて、アニメに集中。
結局ほんとに見なかった。偉い。
褒めて欲しいくらい。
「なに見てるの？」
タオルで髪拭きながら、Aが聞いた。
「…異世界転生モノ。」
「…わたしそのタイプ苦手。」
「言うと思った。お前わりと現実味あるの好きだもんね。」
「うん、おすすめ教えて。」
いいよ風呂上がったらね！って言い残し
大急ぎで風呂に入った。
あいつが苦手そうなの教えてやろう。そんで、寝転んで見ようよってベッド行くでしょ
で、Aがつまんないって言ったら
もう、アレでしょ。
だって再会してから一度もしてねえ。
そろそろ無理
なんて思ってダッシュで出た
のに
A、俺のiPadで、勝手に自分で選んだの 見てた。
「これ面白すぎ…朝まで見る。」
能天気すぎる彼女に笑ってしまう。
でも、昔の俺らに戻ったみたいで嬉しかった。
…なんて、能天気なのは俺の方だったのかもしれないけど。
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a - もう何回読んだか分かりません。当時GENEが大好きだった私も今では予定があえばライブに行く程度ですが、未だに何回もきなこさんの作品を読んでしまいます。こんなに大好きだと思える作品は他にありません。当時も今も変わらずいちばん大切な作品です。 (11月26日 9時) (
レス) @page50 id: fb27f2c91a (このIDを非表示/違反報告)
また会いたいです - きなこさんは今は何をされていますか？ (9月26日 19時) (レス) id: e10e58a731 (このIDを非表示/違反報告)
mchar(プロフ) - もう3回くらい読んでます。毎回泣いてしまうし、寝る間も惜しんで読んでしまいます。もう玲於のファンは卒業していますが、きなこさんが書く玲於が好きです。 (7月3日 8時) (レス) @page50 id: 895ee9ba7d (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - 後半は特に心がギュッと掴まれて苦しくなっちゃうくらい感情移入してしまいました、、素敵な作品をありがとうございます！！2人の会話のテンポ感と雰囲気がすごく好きでした！！！ (7月3日 2時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - やっぱ玲於……カッコイイーーー！！！！！と思いました！笑 長々と失礼いたしました。 (2023年1月27日 19時) (レス) id: 58d12bf03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年12月1日 22時
