検索窓
今日:20 hit、昨日:8 hit、合計:538,847 hit

どこにでもいる ページ6

.



「うま!これめっちゃ美味い。」
「こっちもおいしい!」
「マジで?ちょうだい。」

さくらちゃんをうちに呼んで、2時間が経った。
コンビニ行って買ってきたお酒とつまみ。
アルコール入れたほうが話しやすいから、2本ずつ。

まずいかなって最初思ったけど
まあ2本じゃ理性飛ばすほど酔わねえし
さくらちゃんも酒強いって言ってたし。


「でもさあ、ほんっと面倒臭いよね。恋愛って。」
「うんうん、面倒くさい!」
「正直俺さ、マジで未練たらったらで。」
「あーそうなんだ。」
「うん。てか、まだ今ならより戻せるんじゃね?とすら思ってる。」
「えぇ、いつ別れたんだっけ?」
「…もうすぐで3週間経つ。」
「あは、それは無理だよ!笑」

ビール、ごくって飲んで
笑ってるさくらちゃんをじぃって睨む。
コイツまた言い切りやがった。

「きみさあ、前も思ったけどハッキリ言い過ぎじゃない?」
「だって嘘とかお世辞よりよくない?」
「……まあ。」
「でしょ?わたし初めて玲於くんと会ったとき、元カノさんの写真見たけど、」
「勝手にね。」
「玲於くんがスマホ落としたからじゃん!拾ってあげようと思って、」
「はいはい、それで?」
「そう、それで…うーん、正直、可愛いけどあれくらいの子ってどこにでもいるじゃん、って思ったよ。」


そんな言葉に、思わず眉間にシワが寄った。


「…悪口はやめてくんない。」
「あっごめん、そうじゃなくてね。ああいう、どこにでもいるような子を好きになるひとって、たくさんいると思ってて、」
「……。」
「だから多分、モテると思うよ。あの子。うん。純粋そうだからすぐついていっちゃいそうだし。」


…そもそもAは、どこにでもいるような子、じゃねぇ。
AはAでしかない。
他に代わりなんていないのに。


「……モテるってのは、まあ当たってるけど…あいつは全然、…」


言いかけて、思い出した。
最初にAと出会ったときのこと。

悠太の店のパーティーで
店の端にあるソファーに座ってた。
どこにでもいそうなコだと、思った。
Aを選んだのに、理由なんてなかった。

…ああそうか
全部、さくらちゃんの言う通りだ。
Aのこと、どこにでもいる可愛いコだって認識で近付いて、好きになってしまった
大勢いる男の中の、ただのひとり。

俺にとっては、Aはひとりだけなのに
Aにとっての俺は、大勢の中の、ひとり。


こんな惨めな話があるかよ
特別だと思ってたのは、俺だけだった

.

救われた→←気休め



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (464 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2560人がお気に入り
設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きなこ(プロフ) - とっぽさん» お返事遅くなってごめんなさい!直近で言うと、ただいま初恋5「どうしよう」のページで、軽井沢でふたりで撮った写真とか、得意げなあの顔のイメージでした(^ ^) (2019年12月24日 13時) (レス) id: 1d09c43b5e (このIDを非表示/違反報告)
舞華(プロフ) - きなこさん!!!!私初めてワンミリのMV見たとき、それこそあの携帯見てるシーン見たとき、占ツク感が凄いって思いました本当に!!やっぱりきなこさんのお話読んでたからそう思ったんだと思いますそしてあれは実際にやってますね!笑笑きなこさんのお話ダイスキです! (2019年12月24日 13時) (レス) id: 689ff0d5f6 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽ - 眉毛をちょっと上にあげて…という台詞は何のお話に出てくるのでしょうか…(;_;)教えてくださるとありがたいですm(_ _)m (2019年12月2日 21時) (レス) id: 3d038c663d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいあ - きなこさん、最高です!!玲於くんの顔を想像しながら読んでいて、いつもドキドキです。今月のviviの雑誌の玲於くんもすごくかっこよかったですよ!よかったら見てみて下さい!!それから話おもろしかったですよ!ぐだぐだじゃないです!!更新待ってます。 (2019年12月1日 21時) (レス) id: a624d1b453 (このIDを非表示/違反報告)
ライ千(プロフ) - きなこさん、いつも楽しみに読ませて頂いてます。私もワンミリのMVを見た時、Mステで踊ってる玲於くんを見た時、あぁ、このお話に出てくる玲於くんだ....と思いながら一人でキュンキュンしてました(笑) (2019年12月1日 1時) (レス) id: a6fe8073c0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きなこ | 作成日時:2019年11月3日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。