知らない男 ページ42
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次の日の早朝
仕事に行きながら、Aにライン。
[ Aさーん ]
[ 財布わすれてるよ ]
めちゃくちゃずりいし自分でも嫌になるくらいだけど
でもこれで、Aに会える。
朝からのロケを終えたあと、昼飯を食べながらのインタビュー。
そのあと雑誌の撮影で、夕方から夜までスタジオでの収録。
今日はほんとにハードスケジュールで、移動のために乗った車で、久々に息をした気がした。
ぼおっと窓の外を眺める。
…あ、ここAの職場の近くだ。
懐かしいな
あいつが就職決まったの、確か秋頃で
みんな夏前には就活終わってるのにって、随分沈んでた気がする。
ようやく決まったって言われたけど、なんか俺ほんと心配で
わざわざマネージャーに車回させて、職場こっそり見に行ったこともあったっけ。
ああそういえば、今のアパートもだな。
Aが引っ越すって言うから、俺が見に行った。
心配性すぎるよってあいつ笑ってたけど
そりゃ心配にもなるよね。
ふふって、ひとりでちょっと笑った。
早く会いてえな
俺のこと好きじゃなくても、もうなんでもいいから。
なんだろな
好きとか、そういうのとっくに通り越してて
情になってるっていうか。
うまく説明できないけど、いてくれないと困るんだよ。
夕方からの収録
早く終わらせたくて、とにかく頑張った。
撮れ高OKの文字がカンペで出された時、嬉しくてニヤけたし。
まだ20時前じゃん。
Aに21時ごろって言っちゃったな。
どうしよ、届けに行こっかな。
楽屋で速攻帰る準備して、メンバーを置いてひとりタクシーに乗り込んだ。
一旦家帰って、地味なジャケットに着替え、Aのアパートに向かう。
リュックの中にはAの財布
ちなみにこれは、あいつの21歳の誕生日に俺があげたやつ。
アパートの裏道で降ろしてもらい、ふとベランダを見上げた。
でも、Aの部屋、まだ電気ついてなくて。
…え、まだ帰ってきてない？おそ。
まあいいや待ってよう。どうせすぐ帰ってくんだろ
思いながら、リュックからキーケースを取り出す。
ついでに財布も。
街灯の明かりで、目の前に影が伸びてた。
その先を見たとき
目に入ったのは、Aと、その正面に立ってる、知らない男。
息が止まった。
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mugi(プロフ) - 自分に重なることが多すぎて、感情移入どころではなかったです。素敵な作品いつも有難うございます。 (2019年11月18日 10時) (
レス) id: 4db51b5e5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいあ - きなこさんの作品大好きです！ (2019年11月3日 18時) (レス) id: a624d1b453 (このIDを非表示/違反報告)
_myprince8(プロフ) - きなこさんの作品全て好きです。完結まで結びますように！っ (2019年11月3日 10時) (レス) id: bca9b2866b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 私最近の玲於くんの大人っぷりに寂しいって感じてしまい玲於くん見るの少し離れてたんです。だからきなこさんの思ってること同じで嬉しくなりました。今はちょこちょこ玲於くんを応援してるつもりです。笑1日の終わりに読むきなこさんの作品いつも楽しみです！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: f500b029ae (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - きなこさんの作品の中で一番好きです。人間味があって執着する玲於ちゃんや空回りながらも同じ思いの主人公ちゃん、すれ違いがもどかしいけど読み応えがあって本当に好きです。完結まで頑張ってください！ (2019年11月2日 9時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年10月10日 22時
