条件 ページ4
玲於side
玲於「…で?お仕事中の兄ちゃんにわざわざ電話をかけてきたワケは?」
聞くと、そうなの!って、なんでかすげー楽しそう
知らないオジサンに家バレてるくせに
よく笑えるわ
A『今ね、ママの命令で、友達の家に居候してるの。』
玲於「うん。」
A『でも、ひとつ問題があってね。』
玲於「なに。」
A『…その友達、彼氏がいるの。』
玲於「あちゃー。」
A『あちゃー、でしょ。』
玲於「お前邪魔者じゃん。」
A『そう!だからその友達の家からは出て行かなきゃって思ったのね。』
玲於「うん。」
A『…でも、ふと気付いたの。』
玲於「…なに。」
A『…わたしには、友だちがいない。』
玲於「待ってほんと笑うからさ、そういうのやめてくんない?笑」
A『事実!事実なの!』
はあ、ほんと変わってねーな
それで俺を頼ってきたワケね
玲於「なに、金なら貸すけど。利子付きで。」
A『…そんなんじゃない。』
玲於「じゃあなに。」
A『……玲於くんのマンションからね、わたしの学校、歩いて行けるの。』
玲於「……は?」
A『…しかも、玲於くんのマンションには、警備員さんがいるから、すごく安全で、』
玲於「ちょっと待って。俺んとこ来ようとしてる?」
A『…やっぱりダメ?お願い、わたしこのままじゃおじさんにイタズラされちゃう。』
玲於「いやいや、それはすげー心配だけどさ、俺、こういう仕事してるし…」
A『それは分かってるよ、でも、本当に今この家にいるのが怖いの。頼れるの、お兄ちゃんしかいないの!』
う、
ずりーな
俺昔から、お兄ちゃんって呼ばれたら 何でも許しちゃうんだよ
お兄ちゃんわたしクワガタが欲しい!って、まだ幼稚園生のAに言われた夏休み
俺、マジで次の日早起きして、泣きながらクワガタ探したからね
まあ、結局見つかんなかったけど
でもさすがに今回はなあって頭を抱えた時
ふと思い出す
今朝の、俺の部屋
散らばった段ボールに
積み重なったコンビニ弁当のゴミ
放り投げたジャージとか、雑誌とか
…彼女ではないけど
そういうのに使うのも、アリ?
玲於「…よっしゃ、じゃあ兄ちゃんが引き取ってやろう。」
A『えっ、ほんと?ほんとに?』
玲於「ほんと。…でもいっこ、条件がある。」
俺の部屋に住む、条件
.
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夕凪(プロフ) - まだ、酔っ払いまでですが本当に面白くて今からキュンキュンしてて、心臓が足りません!笑笑 (2018年6月18日 12時) (レス) id: 6e9a42278c (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ - きなこさんの小説ほんとに好きで読ませもらってます!!臣くんのやつも読みましたがほんとにドキドキして面白かったです!臣くんの小説違うバージョンも作って欲しいです!これからも頑張ってください! (2017年12月29日 20時) (レス) id: bde81dd030 (このIDを非表示/違反報告)
kotone(プロフ) - 私、きなこさんが書くお話がすごく好きなんです!更新、楽しみにしてます(*^^*) (2017年12月21日 23時) (レス) id: 8703134089 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 楽しさと面白さの中に悲しさも入っているてんこ盛りの作品ですね!(上からでごめんなさい…)読んでいてとっても楽しいです!これからも頑張ってください! (2017年12月21日 23時) (レス) id: b0b93090e0 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - すっごく面白いお話です!どんどん更新してください!お願いします!!主人公が玲於くんを待つところとか、すごく切なくてだんだん泣けてきちゃいました! (2017年12月21日 22時) (レス) id: c8678f2ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2017年12月5日 22時